プロパンこのページでは、プロパンガスとは何なのか、どういうサービスなのかということについて基本の部分を含めて解説しています。

日本では、一般的な呼称として「プロパンガス」の名が定着していますが、正式な名称としては「液化石油ガス」といいます。
またプロパンガスは「LPガス」と呼ばれることもありますが、これは「液化石油ガス」の英訳で「Liquefied Petroleum Gas」の頭文字を取ったものです。

「プロパンガス」は厳密に表現するのであれば、「LPガス」または「液化石油ガス」が正しい呼称で、実は「プロパンガス」という呼称は通称なのです。
ただ、家庭用LPガスの成分のうち、およそ8割がプロパンであることから「プロパンガス」という呼び方が一般的には普及しているのです。従って日本国内では「プロパンガス」と「LPガス」は、同義語として捉えられています。
このサイト内では、一般に浸透している「プロパンガス」の名称で統一しております。

プロパンガスの成分

LPガスの規格
出典:経済産業省

日本国内で供給されるプロパンガスは、JIS及び液化石油ガス法により、組成や含まれる硫黄分の比率などが細かく定められています。
家庭・業務用として供給されているプロパンガスは、図の「い号液化石油ガス」で、プロパンが80%以上含まれています。
なお、工業用にはブタンを主成分とするガスが供給されています。厳密にはその場合、「ブタンガス」または「LPガス」と呼ぶのが正解なのですが、このWebサイト内では全て「プロパンガス」という名で統一しています。

高圧ガス保安法液化石油ガス保安規則(液石則)では、「炭素数三の炭化水素(プロパン、プロピレン等を指し…)または炭素数四の炭化水素(ブタン、ブチレン等を指し…)を混合したものを主成分とするもの」を「液化石油ガス」と定義しています。つまり一般的に使われるLPガス(液化石油ガス)の主成分は、プロパンまたはブタンになります。そのうち家庭用に限ると、プロパンが8割以上使われているということです。

プロパンが燃えるしくみ

やや細かい話になりますが、プロパンは炭素と水素によって構成されています。分子式では「C3H8」、Cが炭素、Hが水素です。
プロパン(炭素と水素)は空気に触れることによって、空気中の酸素と結合します。
酸素と化学変化を起こすことにより、炭素と水素は、二酸化炭素と水蒸気へと変化するのです。

C3H8+5O2⇒3CO2+4H2O

この化学変化が起きる時に531キロカロリーの熱を発生します。この熱が燃料として利用されるのです。

しかしプロパンは、ただ酸素に触れるだけで「燃える」わけではありません。なにか燃焼させるためのきっかけが必要となります。
プロパンは燃焼性の高い物質であるため、小さなきっかけで燃焼します。家庭で使われているコンロなどのガス機器は、スイッチを押すことによって火花、つまりプロパンが燃焼するきっかけをつくることによって火を生み出しているのです。

プロパンガスの需要家数

経済産業省の発表によると、2013年時点のプロパンガスの需要家数はおよそ2400万件となっており、日本のガスサービスの中で44%を占めています。プロパンガス以外のサービスとしては、一般ガス(都市ガス)がおよそ2900万件で53%、簡易ガス(集中供給型のプロパンガスのようなもの)がおよそ140万件で3%となっています。

販売量を熱量ベースで換算した販売比率では、プロパンガスが全体の34.3%、都市ガスが65%、簡易ガスが0.7%となっています。この数値から、都市ガスの1需要家あたりの販売量が多いことがわかります。
このデータは、一般家庭のみではなく、工場など工業用の需要家も含めた数値となっています。工場などでは、都市ガス使われることが多い上、ガスの消費量も非常に多いため、このような差がついているものと考えられます。

ひと昔前までは、プロパンガスの需要が都市ガスを上回っていたのですが、近年では都市ガスの人気が高まっており、現在では逆転されている状況です。2017年4月に都市ガスの小売り事業が全面的に自由化されたことで、国として都市ガスの導管網をさらに拡大する意向を示しています。
このままの状態が続くようであれば、プロパンガスと都市ガスの需要家数の差は、さらに開くものと考えられるでしょう。プロパンガス業界としては、どうにか巻き返しを図りたい所です。

ガス事業の分類
出典:経済産業省

プロパンガスの需要

LPガス需要内訳
出典:日本LPガス協会

2012年度のプロパンガス年間消費量は1657万トンでした。このうち家庭用が827万トンとなっています。プロパンガスは業務用と家庭用で、およそ半分ずつ使用されています。
ただ、上述したように家庭用のプロパンガス需要は減少傾向にあります。一方で業務用の需要は増加傾向にあるため、今後は業務用の割合が増していくのではないかと考えられます。

家庭用の需要で比較した場合、現状ではプロパンガスと都市ガスの消費量の差は大きくなく、日本全体で見ると同じくらいの量が使われています。上述しましたが、業務用、つまり工場などで使用される量は、都市ガスの方が圧倒的に多いため、ガスの需要全体を見ると都市ガスの方が消費量で上回っている状況です。

プロパンガスの事業者数

2017年3月末時点での販売事業者数は、全国で19024者(個人事業主なども含む)となっています。2013年3月時点では21052者となっているため、プロパンガスの事業者は、数を減らしている状況だということがわかります。
一般家庭での需要減少や後継者不足などの影響で、小規模の販売店が廃業に追い込まれているケースが目立っています。とはいえ、未だに全国では大小含め2万社近くの会社がプロパンガスの販売を行っているのです。対照的に都市ガスの事業者は、全国でおよそ200者となっています。
このことから、プロパンガス事業は企業が参入しやすい事業であると言えるでしょう。

都道府県別の内訳では、北海道がトップで1156の事業者が登録をしています。2位が埼玉県の886者、3位に茨城県の836者と続いています。埼玉県は北海道や茨城県よりも面積が大幅に小さいので、いかに需要の密度が高いのかということを伺うことができます。

今後の展望としては、エネルギー業界のみならず、国内の企業は経営の合理化が進められているため、プロパンガス業界でも小規模の販売店は大規模企業に吸収されるなどして、数を減らしていくものと考えられます。
国内の人口減の影響もあり、小規模のいわゆる「〇〇商店」のような昔ながらのガス屋さんが生き残るのは、難しい時代となってゆくでしょう。

プロパンガスの事業者は大きく3種類

日本のプロパンガス会社は、大きく分けて
・元売り
・卸売り
・小売り
この3つに分類されます。

元売りは、プロパンガスを輸入する事業者。卸売りは、各ボンベやタンクローリーへと充填し、国内へ流通させる事業者。小売りは、各営業所から消費者へとボンベを届ける事業者です。元売りから小売りに向かうに連れて事業者の数は多くなり、合計すると上述のように2万社近くにまでなるのです。

元売り事業者は、自社で輸入基地を保有する企業ですので、大企業のみで数えるほどしか存在しません。岩谷産業やアストモスエネルギー、ENEOSグローブ、ジクシス、ジャパンガスエナジー、JA全農など有名企業ばかりです。元売り事業者の中で、ENEOSグローブ・アストモスエネルギー・ジクシス・ジャパンガスエナジーは特に取引量が多く、大手4社として位置づけられています。また都市ガス最大手の東京ガスもプロパンガスの元売り事業者なのです。余談ですが、実は都市ガスが生成される際には、プロパンガスが用いられているため、都市ガスのおよそ3%はプロパンなのです。

卸売り事業者は、元売りよりは事業者数が増えますが、充填所と呼ばれる国内基地を持つ、こちらも大企業が位置しています。例えば、岩谷産業、ニチガス(日本瓦斯)、伊丹産業、TOKAI、エネサンスホールディングス、エア・ウォーター、三愛石油、サイサン、レモンガスなどが挙げられます。

一方で小売り事業者は、お客様と契約を締結し、実際にガスを販売する事業者で、数えきれないほどの事業者があります。
大手を挙げると、岩谷産業、ニチガス、エア・ウォーター、カメイ、エネサンスホールディングス、伊藤忠エネクス、東邦液化ガス、伊丹産業、エコアなどがあります。
小売事業者の場合には、大手でなくても個人経営の商店などがガス販売店を兼務しているケースも多くあり、大小合わせて様々な事業者が存在しています。

上記に一部の企業名を挙げましたが、岩谷産業やニチガスなど、大企業の多くは小売りと同時に卸売り事業を兼ねている企業がほとんどです。つまりエンドユーザーである一般家庭へとガスを届けるだけではなく、中小の小売り事業者へもガスを販売しているのです。

そのような企業間のつながりが複雑に絡み合った結果として「NG会社」という制度がプロパンガス業界には存在しています。NG会社というのは、「乗り換えられない会社同士」のことを指す業界用語です。簡単に言うと「取引先の企業からは、お客様は奪えない」という制度です。
NG会社だった場合には、「お客様が望んでも乗り換えを受け付けられない」ということになってしまいます。プロパンガスは自由競争ではあるものの、このような古い体質と呼べるものが業界内に存在しており、本当の意味での自由競争を阻んでしまっているという見方もあるのです。

NG会社について

プロパンガスの調達はほとんどが輸入

LPガス輸入国
出典:日本LPガス協会

日本はエネルギー資源に乏しい国です。天然ガスや石油などのエネルギーは、ほとんどを輸入に頼っている状況です。プロパンガスに関しても同様で、ほぼ100%を海外から仕入れているのです。

エネルギー資源の産出国は、昔から中東アジアが主流となっており、近年においても半分ほどを中東諸国から仕入れています。ただ、添付図をご覧いただくと、アメリカの比率も多く、オーストラリアの名前を見ることもできます。
日本では、かつて1970年代から1980年代初頭にかけて「オイルショック」と呼ばれる原油価格の高騰によって、国内が大混乱に陥ったという苦い記憶を持っています。当時、エネルギー輸入の大半を中東アジアに頼っていた日本にとって、このオイルショックは大事件でした。国内ではインフレが発生し、物価が軒並み高騰するだけでなく、トイレットペーパーや洗剤など、本来は石油とは関わりのない商品までデマによって買い占められる事態に陥りってしまいます。国内は大混乱し、継続されていた経済成長はこれにより止まってしまったのです。
このような経験から、原油などエネルギーの仕入れ先を分散させようという動きとなり、現在では中東アジア以外からの輸入も盛んになっている状況です。

輸入価格の鍵は「サウジCP」と「モントベルビュー」

日本国内で流通するプロパンガスの価格は、未だ強い存在感を持っている中東アジアのサウジアラビアが決定している「サウジCP」の影響を強く受けています。

※サウジCPとは
CPは「コントラクト・プライス」の略。プロパンガスガスの最大輸出国であるサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が、輸入国(出荷先)の企業などと交わす契約価格のこと。
価格の決定は同社が一方的に行うものであり、基本的には交渉して決定するものではない。原油価格などを考慮した上で同社が決定しているが、細かい内容については公表されていない。

このサウジCPの価格は「日本に向けた」価格のことではありませんが、日本に向けた長期契約価格の指標とされています。つまりサウジCPが値下がりになれば、日本への出荷価格も下がる傾向にあります。「サウジCPが安くなる→国内のプロパンガス価格が安くなりやすい」と覚えておくと良いでしょう。

以前は売り手優位の状況であったため、強硬に値決めする姿勢が強く見られました。しかし2013年にアメリカで起こった「シェールガス革命」などの影響で、世界のエネルギー市場の勢力図が変化しつつあります。つまり、エネルギー生産が中東アジアの独壇場ではなくなっているのです。その影響で近年では、比較的柔軟な姿勢で出荷額を決める傾向にあるようです。

また、国内のプロパンガス流通価格に関して、上述したような状況から近年では「モントベルビュー」と呼ばれるアメリカ産プロパンガスの指標価格も意識されています。サウジCPが第一なのに変わりはありませんが、それだけではなくモントベルビュー価格の動向にも影響を受けるようになったのです。今後はアメリカ産のプロパンガスにも注目です。

また、プロパンという物質は、原油を精製してガソリンや灯油をつくりだす時に生まれる副産物です。そのため、プロパンガスの輸入価格、国内の流通価格は原油価格の影響を強く受けています。原油・ガソリン・灯油の価格とプロパン・ブタンの価格は連動することが多いので、気にしてみるのも良いかもしれません。

プロパンガスの供給可能エリア

LPガス供給可能範囲一般家庭へのプロパンガスは、ボンベによって供給されるため、ガス会社は消費者宅へボンベを運ぶ必要があります。またプロパンガスの供給契約には、単にボンベを配送するだけではなく、「保安・管理」つまりガス漏れなどの事故があった際の対応も含まれています。
そのため、消費者宅(供給地点)からガス会社の最寄りの営業所まで、法律により距離が20km以内と定められています。これは時間にすると、ガス会社の緊急用車両が30分以内に駆けつけられる距離です。

この供給可能な距離に関しては、例外も定められています。「集中監視システム」と呼ばれる、「メーター」と「電話回線やインターネット回線」をつなげることによる24時間の監視システムを、一定の割合以上導入している事業者に対しては、40kmまでの供給契約を許可しています。この監視システムを持つことによって、顧客からの通報が無くても事業者側で異常を感知できるのです。その優位性がある故に20kmの倍の距離を許可しているのです。

ただし、電話回線の衰退によって、この集中監視システムを積極的に導入している企業は多くはない状態です。今後IoT(モノのインターネット)が広がり、メーターにインターネットがつなげられることが一般的になれば、広く普及するものと考えられます。

プロパンガスの特徴

プロパンガス業界は自由競争

ご存知の方も多いかと思いますが、プロパンガス業界は自由競争が認められています。「この会社と契約しなければならない」という制約はないので、消費者としては契約する会社を自由に選ぶことができます(ただし、賃貸住宅の場合はオーナーの許可が必要)。従って、より良い会社、より安い会社へと変更するのは自然な行為であり、このWebサイトでも料金の見直しとともに、事業者の変更をお勧めしています。

どこの会社と契約しても変わらないというお考えの方もいらっしゃいますが、決してそのようなことはありません。確かにガスそのものに関しては、どの会社と契約しても同じ商品なのですが、料金をはじめとして会社によってサービス内容は大きく異なります。事業者の乗り換えが盛んではない地域では、1社と契約をし続けるお宅が非常に多いですが、実は乗り換えることによって、驚くほどにガス代を安くすることができるなどのメリットがあるかもしれないのです。
他社の条件を知っておくことは、お客様にとって悪い影響があることはないので、ぜひ一度確認されることをお勧めいたします。

参考までに、ひと昔前までは、都市ガスや電力は自由競争ではありませんでした。これらの業界では「独占供給」が認められており、消費者としては契約する会社を自由に選ぶことができない状態でした。例えば東京都千代田区で都市ガスを利用する場合には、東京ガスと契約する以外に術がなかったのです。
そのような状態だったものが、2016年に電力、そして2017年に都市ガスが全面自由化したことによって、他社への変更が解禁され、こちらも自由競争が開始されています。
都市ガスや電力の自由化は、少なからずプロパンガス業界にも影響を及ぼしており、どちらかというと閉塞的であったエネルギー業界全体が、近年は活性化してきています。

プロパンガスは液化されて運ばれる

LPGタンカー「ガス」というと、気体を思い浮かべる方が多いと思いますが、プロパンガスは基本的には液体です。

プロパンガスは常温では気体なのですが、圧力をかけたり、冷却することによって、比較的簡単に液体にすることができるのです。通常のプロパンガスは、1メガパスカルの圧力をかけることによって液化します。温度の場合には、-42℃まで冷やすことで液体化します。

液体となったプロパンガスは、気体時の250分の1にまで体積が縮小します。これにより大量のプロパンガスをボンベに詰めることができるようになり、現在の供給形態が成り立っているのです。
液体のまま輸入され、各家庭へと配送・貯蔵されます。いざガスを使用する際には気体にする必要がありますが、ほとんどの場合「自然気化」されます。つまり何もしなくても、ボンベを出た段階で勝手に気体になるのです。しかし、寒冷地では自然気化が難しいため、強制気化装置が取り付けられることもあります。

一方、都市ガスの場合には、液体化することが難しいため気体のまま供給されることになります。

プロパンガスは、空気より重く、水より軽い

プロパンガスは空気のおよそ1.5倍の重さがあります。従って、もしもガス漏れが起こった場合、プロパンガスは低いところに集まります。
一方で都市ガスは、空気より軽いため、高いところに集まります。ガス漏れがあった時、地面に屈んで良いのは都市ガスの場合です。
プロパンガスが漏れた場合には、絶対に屈んではいけません。換気を行い、できるだけ高い位置へと移動しましょう。

また、空気よりも重い一方で、水よりは軽いのがプロパンガスです。もしもボンベを水中に投げ入れたとしたら、水に浮きます。

ガスは本来、無色無臭

プロパンガスも都市ガスも共通して、本来は無色かつ無臭です。ガスは人体に有毒であることから、ガス漏れや不完全燃焼などが起こった時、利用者がすぐに気付くように、敢えてあの嫌な臭いをつけているのです。
高圧ガス保安法では、空気の1000分の1の濃度であったとしても、人間の嗅覚で感知することができる臭いをつけることが義務付けられています。

プロパンガスの用途

環境に優しいLPガスプロパンガスと言うと、一般家庭でボンベから供給されるガスというイメージが一般的ですが、実は社会の様々なシーンで使用されているのです。

例を挙げると
・都市ガスの熱量調整
・LPG車両の燃料
・火力発電の燃料
・携帯用機器
(ガスバーナー・ガスライター・カセットコンロ・発電機・スプレー殺虫剤・スプレー髭剃りクリームなど)
※携帯用機器の場合、一般家庭に供給されるプロパンガスとは異なり、ブタンが主成分となります。

スプレー製品に使用されているのは、意外に感じる方もいらっしゃるかもしれません。スプレーの中のプロパンガスは、発射剤として利用されています。スプレー缶の中では液体ですが、空気と触れることにより気化し、勢いよく噴射するのです。これは上述したように、プロパンガスの液化しやすい性質を生かしたものだといえるでしょう。余談ですが、昔はこのスプレー缶に「フロン」も使用されていました。フロンは同じように液化しやすい性質を持っていたため、広く携帯スプレーに使用されていたのです。しかし、無害とされていたフロンが、実はオゾン層を破壊し、地球温暖化に重大な影響をおよぼす物質であることが判明したため、現在では使用されなくなっています。

都市ガスの熱量調整に関しては、プロパンガスの熱量の高さを利用しています。都市ガス、つまり天然ガスはそのままでは高い熱量を持っていないため、一般家庭で便利に使用するためには、熱量を上げる必要があるのです。そこで熱量の高いプロパンガスを一定割合で含めることによって、都市ガスの熱量を上げているのです。

このような皆さまの身近なところでもプロパンガスは活躍しているのです。このように様々な場面でプロパンガスが使用されるのは、液体であるため移動性に優れること、そして二酸化炭素の排出量が少ないクリーンエネルギーであることも大きな要因として挙げられるでしょう。

プロパンガスのニーズは、地方が中心とは限らない

プロパンガスは、一般家庭において基本的には「都市ガスが利用できない地域」で使われているガスサービスです。都市ガスをご利用されている方のなかには、「地方都市でしか使われていない」というイメージをお持ちの方もいるようですが、必ずしもそのようなことはありません。例えば東京23区内においても、中心部ではほぼ都市ガス一色ですが、江戸川区・葛飾区・足立区など、東部エリアではプロパンガス利用宅も少なくはないのです。
東京以外の大阪市・横浜市・名古屋市などの大都会でも、プロパンガスは未だに広く利用されています。

また東京都の隣、埼玉県は都心に近い位置にありながら、プロパンガスのメッカとも言える地域です。埼玉県内では北海道と並び、日本国内でもっともプロパンガスが利用されていて、ガス会社の数も大変多い状況です。

日本全体の面積で見ると、都市ガスが利用可能な地域はおよそ5~6%程度しかありません。これは都市ガスの導管を埋設するためには、多額の費用が必要であることが要因です。資金力を持っている企業でなければ、導管工事を行うことができないのです。
一方でプロパンガスは日本全体のおよそ95%を供給可能区域としているのです。ほぼ、日本全国どこでもプロパンガスが使える状態です。ボンベから供給されるというのは、プロパンガスが持つ大きな利点であるといえるでしょう。

飲食店では、あえてプロパンガスを使う店舗も

プロパンガス飲食店での利用プロパンガスは、燃焼させた時の熱量が都市ガスと比べておよそ2.2倍あります。つまり都市ガスよりも2倍以上火力が強いのです。

都市ガスの供給区域内にある飲食店で、大きなボンベが並べられているのを見かけたことがないでしょうか?
飲食店のなかでも、中華料理店やてんぷら・とんかつ店、鉄板焼き店など、火力が強いほどおいしい料理をつくることができる料理店では、都市ガスが利用できる環境であっても、あえてプロパンガスを利用していることが多々あります。

中華料理店で、大きな炎とフライパンで調理する様をテレビ番組などでもご覧になったことがある方が多いでしょう。あの炎はプロパンガスを使用しているのです。ただし、プロパンガスを使用していても、一般家庭の場合にはコンロが一定以上の火力にならないよう設定されているため、あのように大きな炎を出すことはできません。

また、飲食店のほかにも、大きな火力を必要とする施設、例えば溶接工場や火葬場などでは、同じくあえてプロパンガスを使用しているところが少なくありません。

タクシーの燃料はプロパンガスが主流

LPG車タクシー一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、プロパンガスは車両の燃料としても広く利用されています。古いデータですが、2004年(平成16年)の日本国内のプロパンガス仕様車両はおよそ29万台に上ります。車種としてはバスやトラック、ゴミ収集車などの自治体車両、フォークリフトなどの作業車、オーナーカーなど多岐に渡りますが、およそ24万台をタクシー車両が占めているのです。つまり日本国内のLPG車はほとんどがタクシーです。

また、タクシー車のなかでの内訳を見ても、プロパンガス仕様のものが90%以上を占めている状況です。普段目にされているタクシーは、ほとんどがプロパンガスを燃料として走行しているのです。
ひと昔前までは、タクシーに乗るとガス臭いと感じることもありましたが、現在では機器の進化や規制強化などが進み、ほぼ無臭になりました。

日本でタクシーの燃料としてプロパンガスが使用されはじめたのは1963年(昭和38年)のこと。ガソリンよりも安価であると同時に、二酸化炭素排出量も少なく環境に優しいことが評価されたことで導入がはじまりました。
プロパンガスは、ガソリンなどと比べて消費税以外の税金が課されていないため、燃料費の面だけでもコスト削減することができるのです。また自動車メーカーとしても、まとまった台数の需要を見込むことができるタクシー車両は、大量生産して安価で販売するため、通常のガソリン車をタクシー用とするよりも、費用を抑えることができます。

ただ、近年では天然ガスを使用したLNG車や、電気自動車など、LPG車以外にも環境性能に優れた車両が次々に開発されているため、将来的に勢力図が変わることがあるかもしれません。

プロパンガスの料金

プロパンガスの料金に関しては、自由料金制が採用されています。その名の通り料金に関して「いくら以上であってはならない」や「国の許可を取らなければならない」などという法律がありません。従ってガス会社が自由に料金を決めることができる状態にあるのです。
極端な話、「今月はガス代をタダにします。」ということも、「相場よりもかなり高めの料金設定をする」ことも可能です。

自由料金制であるため、プロパンガスを扱う各社は様々な料金設定を用いています。加えてプロパンガス事業者は全国で2万社近くを数えます。
以下にプロパンガス料金の特徴などを解説しますが、あくまでも一般的なケースについて記しています。すべてのプロパンガス事業者に当てはまるとは限らないことを、あらかじめ申し添えておきます。

自由料金制とは対照的な方式として総括原価方式というものがあります。総括原価方式とは、製造や供給に必要となる費用(つまり仕入れ費用や人件費、開発費用など諸々のコスト)と、料金が等しくなるように計算され、その状態から一定額の利益を上乗せして消費者から徴収するという方式です。この場合には、国の審査を通過する必要があるため、無茶な料金設定をすることができません。消費者としては国の審査を通った料金であるため安心することができます。一方で企業としては、「必ず利益分を消費者から徴収することができる」状態であるため、少しでもコストを抑えようとする企業努力や企業間の競争が生まれにくいというデメリットを持っています。
この方式は「水道」や「自由化される以前の都市ガスや電力」など、公共性の高いサービスに対して適用されていました。

プロパンガスの料金はやや高め

「プロパンガスは、都市ガスよりも料金が高い」というイメージをお持ちの方が多いと思います。プロパンガスと都市ガスでは熱量の差が2倍ほどあるため、簡単に比較することができないのですが、プロパンガスが都市ガスよりも料金が高めであることは総じて事実です。
細かい計算は割愛しますが、このWebサイトで最安値としている、1㎥あたりの従量単価が260~280円で計算してみると、都市ガスの一般プランとおおむね同じくらいのガス料金となります。
全国で見ると従量単価が300~600円で利用されているお宅が多いかと思いますので、日本全体で見るとプロパンガスの料金は都市ガスよりもやや高いということになります。ただ、首都圏で一般的な料金とも言える300~350円の金額だと仮定すると、そこまで問題視されるほどの金額差ではないといえるでしょう。ただし、首都圏でもケースによって400~500円ほどの相場を大幅に上回った単価で供給されているお宅も未だに多く、改善の余地を大きく残しています。

プロパンガスの料金はお宅によって異なる

プロパンガスの料金で大きな特徴の一つが、お宅によって料金が異なるという点です。同じガス会社と契約しているお宅でも、各戸で料金が異なるのが一般的となっているのです。
従って「有名な会社と契約しているから」や「ご近所と同じ会社と契約しているから」絶対に料金が安いということは言えないのです。

この各戸による料金の違いが、プロパンガスのイメージを決定づけているといっても過言ではないほど重要な要素となっています。これにより、利用者としては「自宅の料金が高いのか安いのか」を判断しにくいという状況を招いてしまっているのです。

ただし、「顧客によって料金が異なる」ということ自体は、他の業界でも見られることであり、それ自体が決定的な問題とは言えないかと思います。

プロパンガス料金の不透明さ

例えば都市ガスの場合には、一般の料金メニューの他に、ガス暖房機や床暖房など機器による割引プランや、電気などとのセット割引などを用意しています。他のサービスにおいても、長期契約や支払い方法によって割引を行う手法は一般的に行われています。
顧客の利用状況や環境によって提供する料金メニューを変えること自体は、別におかしなことではないのです。

プロパンガスが業界で問題視されているのは、「明確な根拠がなく」料金メニューを変更している点です。
よくあるケースとして、料金交渉を行うような顧客に対しては比較的安い料金で提供する行為や、解約される間際の防止策として他社との対抗料金を提示するような行為が見られます。
なにかアクションを起こした顧客に対しては安くするという、昔ながらの手法が行われているのです。

以前はこのようないわば「客を見て値段を決める」ような手法が他のサービスでも行われていましたが、情報化社会が進むに連れて徐々に衰退していきました。
パソコンやスマートフォンが普及し、インターネットが高速化したことにより、消費者側が多くの情報を得ることができるようになりました。明らかに消費者にとって不利となる行為は姿を消しつつあります。しかし、他の業界では無くなりつつある不明瞭な料金基準を、プロパンガス業界では多くの事業者が採用し続けているため、それを指摘される機会が増えているのです。
「同じもの」を「同じように」購入しているのに、自宅の料金が他のお宅よりも高く設定されていたら、不満を感じることは当然といえるでしょう。これはプロパンガス業界が解決しなければならない大きな課題のうちの一つです。

また、プロパンガス業界では、利用明細に1㎥あたりの従量単価を表示しないことも一般的な行為となっています。もちろん単価をきちんと表示している事業者も多くあるのですが、同様に表示していない事業者も多くあるのが現状です。
これは事業者側に「できるだけ他社や他宅と料金を比較して欲しくない」という考えが働いているのです。明細をわかりやすくすることによって、各戸の顧客がお互いの料金を比べやすくなります。それにより基準なく各戸で料金を変えていることがわかってしまいやすいということになります。極端な言い方をすると「高いことがバレてしまいやすい」状況を避けたいという考えなのです。

料金に関して後ろめたいことがあるからこそ、このような行為が行われるのは間違いないことです。これはプロパンガス業界の悪い習慣であるといえるでしょう。早急に解決しなければ、今後も消費者の「プロパンガス離れ」を食い止めることは難しくなると思われます。

LPガス家庭業務用需要量
出典:日本LPガス協会

しかし、実はプロパンガス料金の高さや不透明さに関しては、かなり以前から問題視されているのです。
1997年(平成9年)に液石法が大幅に改正されたことにより、特に関東地方を中心として、プロパンガス事業者の乗り換えが活発になりました。そこから派生するように料金体系の不明瞭さが浮き彫りとなり、1999年(平成11年)6月には、公正取引委員会によって「LPガス販売業における取引慣行等に関する実態調査報告書」が発表され、不透明な料金体系の是正を指導しました。これを受けて経済産業省は、同年10月に「液化石油ガスの料金の取引の適正化と透明化について」という文章を発表しました。これはアクションプランと呼ばれるもので、プロパンガス料金がその当時すでに問題視され、解決を促していたことがわかります。

徐々に改善には向かっているものの、未だに業界内では「料金透明化」や「適正取引」の文言が多く飛び交っている状況で、全面解決にはまだまだ日にちを要するでしょう。

このような状況を打破すべく、一部の事業者では都市ガスと同じように「全戸統一の料金メニュー」を採用している企業もあります。「新規の顧客だから」「解約されそうな顧客だから」という割引はなく全宅が共通の料金です。そういった事業者の料金は、決して安くはないのですが、少なくとも透明性を持っています。
少しでも安い料金で利用したいというよりも、安心してガスを使いたいという方であれば、共通の料金プランを採用しているガス会社と契約する選択は大いにお勧めできます。

プロパンガス事業者間の競争

上記で少し触れていますが、プロパンガスの事業者乗り換えは、1997年ごろから首都圏を中心として活発に行われるようになりました。

それ以前からプロパンガス業界は自由競争であったのですが、業界内では積極的に他社の顧客を奪う行為は避けられる傾向にありました。これは都市ガスや電力業界の影響があったと考えられますが、事業者間で不戦協定のようなものがあり、事業者の棲み分けが出来上がっていたのです。
他社の顧客へ営業のアプローチを行うことはタブーとされていたため、当然料金競争が起こることもなく、自由競争とはほとんど名ばかりの状態が続き、料金は高騰していきました。

2017年の時点で関東地方では事業者の乗り換えが活発化している状況ですが、それ以外の地域では、必ずしも自由競争が行われているとは言い難い状況にあります。新規の顧客が欲しくないという企業はないのですが、特に地方では「他社の顧客を奪ってまでは、欲しくない」というスタンスの企業は未だに多くあるのです。

なぜこのような状況に陥ってしまうのか、要因はいくつか挙げることができます。
① 人口減少
まず考えられるのが、日本全体の人口減少です。特にプロパンガスの利用率が高い地方では、人口が顕著に減少している地域も多く、いわば全体の顧客数が減っている状態です。限られている上に、減少傾向にあるパイを奪い合うのではなく、共存を図ろうという方針の事業者が多くあるのが現状です。
② 事業者数
そしてプロパンガス事業者数の多さも要因として考えられます。上述しましたが、プロパンガスの事業者数はすべて合わせると、全国で2万社近くにまで上ります。事業者間は、仕入れやボンベ配送の委託などで、取引関係が複雑に絡み合っています。NG会社にも関連しますが、取引先企業の顧客は奪えないということで、そもそも獲得対象となる事業者の数が少ないということが考えられます。

小売事業者は比較的小規模の企業も多くあるため、もしも全国的に乗り換えが活発化したら、小規模の事業者は大幅に数を減らすことになるでしょう。体力のある大中企業が魅力的な料金プランを打ち出すことによって生き残っていくと考えれます。

現在のプロパンガス業界では、どちらかというと既得権益を守る方針の企業の方が多く見受けられる状況です。
もしも、この状況が今後も続くようであれば、事業者間の競争が行われないため、料金の高さや不透明さなど、問題の解決は更に先延ばしとなってしまうでしょう。一方で明朗会計である都市ガスがシェアを増やし続けることになり、更に人口が減少していることが、プロパンガスの利用率低下を加速させることになると考えられます。
いわば現在のプロパンガス業界は、自らの手で悪循環を招いてしまっている状況であると言えるかもしれません。

この状況を打破するためには、競争を活性化させ、魅力的な料金プランの展開や、消費者との信頼回復に全力を注ぐことが必須だと思います。そして何よりも、消費者にとってわかりやすい料金体系にし、それを公開することは、絶対に必要なポイントであるでしょう。

プロパンガスの歴史

日本の「ガスサービス」のはじまり

日本国内の「ガス」サービスは、今から150年ほど前の幕末期、名君として知られる薩摩藩第11代藩主・島津斉彬が、別邸・仙巌園にてガス燈を点火したことからはじまったと言われています。それ以前にもガスが灯火として用いられた記録が残っていますが、「事業」として計画されガス管がつなげられたのは、これがはじめてとされています。
1872年(明治5年)には、実業家の高島嘉右衛門がフランスから技師を招き、横浜市中区にある大江橋の周囲をガス灯によって照らしました。当時はまだ電灯が普及する以前のことであり、石油ランプが一般的に用いられていた頃の話です。当時の人々は文明的な照明に大変驚き、付近は見物客で賑わったと伝えられています。日本ガス協会では、この横浜にガス灯がともされた1872年の10月31日を「ガスの記念日」に設定しています。
そしてその2年後には東京銀座にもガス灯がともされることになりました。

ちなみに日本初の電灯は、1882年(明治15年)に銀座の街に立てられたことがはじまりとされており、ガスの方が数年早く実用化されているのです。

高島嘉右衛門の手によってその後もガス事業は進められ、室内照明、そして料理や風呂などにも使用されるようになっていきます。

日本のプロパンガスのはじまり

ツェッペリン伯号一方、日本で最初にプロパンガスが使用されたのは1929年(昭和4年)のこと。ドイツの巨大飛行船・LZ127(ツェッペリン伯号)が世界一周旅の途上、来日した際にプロパンガスによってプロペラ推進エンジンを動かしたそうです。ツェッペリン伯号は、全長236.6mにおよぶ当時の世界最大の飛行船で、実飛行時間320時間20分という世界記録を打ち立てたことでも知られています。この当時、日本国内ではプロパンガスが流通していなかったため、アメリカの企業から取り寄せたという記録が残されています。

その後、1952年(昭和27年)頃から、プロパンガスが一般家庭でも使用されるようになります。この頃は、まだ都市ガス、いわば地下のガス管が整備されているエリアは極めて限られていた状況であったため、ボンベがあればガスを使うことができるプロパンガスは、その後急激に全国へと広まることになりました。そして1960年代には、全国の家庭の半数以上がプロパンガスを使用するにまで至ります。

プロパンガスの安全性

プロパンガスの長所として、非常に高い安全性を誇るガスサービスであることが挙げられます。2016年(平成28年)のプロパンガスによる死亡事故件数は0件を達成。これは消費者側の過失によるものも合わせたすべての事故件数です。2016年以外でも、死亡事故の件数は近年では5件を下回っている状況です。
この数字は、通常の日常生活を送る上での死亡事故確率を大きく下回っており、プロパンガスがいかに安全であるかという証明ともなっています。

プロパンガスがとても安全なサービスと呼べるまでになったのは、ガス機器の進化と事業者の努力、双方が要因として挙げられます。

プロパンガス事故数グラフ
出典:経済産業省

ボンベ・マイコンメーターの安全システム

プロパンガスのコックプロパンガスの安全を支える要となるのが、ボンベとメーター(マイコンメーター)です。両方とも一見する限りでは、とてもシンプルに見えますが、実は事故を防ぐための工夫が何重にも施されているのです。

① マイコンメーター
ガスを利用されているお宅には必ずメーターがセットで取り付けられます。主な用途としてはガス使用量を表示することですが、その他にも様々な機能が付随しているのです。機種によっても異なりますが、異常長時間使用や地震による揺れの中での使用など、不適切な状態を察知してガスを自動的に遮断する機能は、おおむねどのメーターにも付けられています。また、宅内の警報器などと連携され、これらの外部機器が異常を感知した場合にも、メーターが自動でガスを止めてくれるのです。
さらに、電話回線とつなげることによって、外部から24時間体制で監視することも可能。近年では電話回線ではなく、インターネット回線とつなげることによって、細かいガス使用量を把握できるなど、さらに進化した機種も開発されています。
② ガス放出防止器
ボンベの出口部分に取り付ける装置で、ボンベが転倒した場合などに、中身のガスが大量に放出されるのを防ぐ。過流式と張力式の2種類あり、過流式の場合はガスが大量に流れそうになると、その流れの力を利用して弁がふさがる仕組み。張力式は、ボンベと壁を鎖などで物理的に固定し、ボンベが転倒した際にその張力を利用して弁がふさがり放出が止まります。
③ 耐震自動ガス遮断器
地震対策専用の遮断器。大きな揺れを感知するとガスの放出を自動的に止め、ガス機器による事故を防ぎます。
④ ガス漏れ警報器
センサーによりガス漏れを検知し、ブザーなど音で知らせるシステム。機種によっては遮断器と連動しているものもあります。
⑤ CO警報器
COつまり一酸化炭素専用の警報器。一酸化炭素の漏れを検知した場合、警報音で知らせます。
⑥ ヒューズガス栓
ボンベの配管部分に設置されるガス栓のことで、ガスが大量に流出しないようにする装置。瓶のラムネの中のビー玉の原理のように、ボンベ内にヒューズボールという玉状のものがあり、過度にガスが流れる際には入り口を塞ぐ仕組みとなっています。

ボンベなどは一見すると危なそうにも見えますが、それ故にしっかりとした対策が施されていることがおわかりいただけるかと思います。

全国LPガス協会の調査によると、2011年に発生した東日本大震災による大きな揺れを受けても、家庭でのプロパンガスの漏洩による事故はたったの1件でした。上記のような備えがいかに強固であるかを示した事例であるといえるでしょう。

プロパンガスの安全化への歴史

プロパンガスが一般家庭でも使われはじめた1950年代、利用者が急激に増えましたが、技術がそれに追いついていない状況で、ガス漏れなどの事故が頻発していました。
事故件数のピークは1979年(昭和54年)のことで、年間の事故件数は793件、63名の方が命を失いました。

ピークを迎えることになる前々年の1977年(昭和52年)には、当時の通商産業省に液化石油ガス保安対策室が設置されました。その翌年から、一般家庭を含めた国内のプロパンガス設備のすべてを総点検するというプロジェクトがスタートし、2年をかけて点検を行うことになります。
その後も行政とプロパンガス事業者が連携して安全対策が進められました。そして1986年(昭和61年)には、具体的な事故件数の目標数値や期限などが定められたのです。また、この頃から上述した高機能のマイコンメーターが開発・普及しはじめたことにより、安全性が急激に上昇しました。添付の図をご覧いただくと、この頃から事故件数が急激に減少しているのがおわかりいただけると思います。
マイコンメーターの優れている部分として、点火ミスや接続ミスなど消費者側のミスを未然に防ぐことができるようになった点です。この技術向上によって、プロパンガスの安全性は飛躍的に向上することになったのです。

プロパンガス事故数推移
出典:経済産業省

プロパンガスの汎用性、被災地での活躍

プロパンガスはボンベにより供給されるため、各戸が独立しています。この供給方式は「分散型」と呼ばれています。一方で都市ガスは地下を通るガス管から供給されるため、「導管型」と言われています。
分散型であるプロパンガスの場合、定期的にボンベを交換する必要がある一方、都市ガスの場合にはそのような手間を必要としません。
一般的には、ボンベ交換は消費者にとっても事業者にとっても負担となり得る作業であるため、都市ガスの方が利便性に優れていると言われています。
ただし、それは平時においての話であり、災害などの緊急時においては事情が異なります。

都市ガスの場合、導管により各戸がつながっているため、どこか一部分でトラブルが起こってしまった時、周辺一帯の区画で供給が止まってしまうという弱点を持っています。一方でプロパンガスは、分散型で各戸が独立しているため、ボンベや宅内のガス機器・配管が無事であれば、平時と同じようにガスを使用することができるのです。

これはプロパンガスが持つ大きな長所の一つで、災害対策を意識されているお宅のなかには、都市ガスが利用できる環境であってもあえてプロパンガスを利用されている方も多くいらっしゃいます。

プロパンガスは「最後の砦」という位置づけ

プロパンガス貯蔵タンク2014年(平成26年)に政府によって決定された「エネルギー基本計画」では、化石燃料に乏しい日本が大震災を経た上で、今後のエネルギーに対する方針を、石油・天然ガス・再生可能エネルギーなど、資源ごとに項目別として示しています。
この中でプロパンガスについては、以下のように記されています。

①位置付け
中東依存度が高く脆弱な供給構造であったが、北米シェール随伴の安価なLPガスの購入などが進んでおり、地政学的リスクが小さくなる方向にある。
化石燃料の中で温室効果ガスの排出が比較的低く、発電においては、ミドル電源として活用可能であり、また最終需要者への供給体制及び備蓄制度が整備され、可搬性、貯蔵の容易性に利点があることから、平時の国民生活、産業活動を支えるとともに、緊急時にも貢献できる分散型のクリーンなガス体のエネルギー源である。

②政策の方向性
災害時にはエネルギー供給の「最後の砦」となるため、備蓄の着実な実施や中核充填所の設備強化などの供給体制の強靱化を進める。また、LPガスの料金透明化のための国の小売価格調査・情報提供や事業者の供給構造の改善を通じてコストを抑制することで、利用形態の多様化を促進するとともに、LPガス自動車など運輸部門においてさらに役割を果たしていく必要がある。

政府の見解のなかで、プロパンガスをエネルギー供給の「最後の砦」として定義しているのです。また、「可搬性、貯蔵の容易性に利点があることから、平時の国民生活、産業活動を支えるとともに、緊急時にも貢献できる分散型のクリーンなガス体のエネルギー源である。」という部分も注目すべき文言です。
移動性に優れると同時に貯蔵するのに有利、そしていかに環境に優しいエネルギーであるかということを国が認めているのです。

詳しくは次項に記載していますが、プロパンガスは緊急時の備えとして、石油とともに国が備蓄するエネルギーに指定されています。これには都市ガスは指定されておらず、プロパンガスがいかに、緊急時に頼れる存在なのかを物語っています。

被災地での活躍

日本は地震や台風、火山や豪雨など災害が非常に多い国です。毎年必ずと言って良いほど、国内のどこかで自然災害が発生している状況で、その都度プロパンガスが活躍しているのです。

すでに上述していますが、プロパンガスは分散型のサービスであるが故に、ボンベを置くことができればどこででも使うことができます。ガスコンロとつなげて火を使うことはもちろん、電気が通っていなかったとしても電灯として使うことも可能です。
この特徴は、災害時の避難所や仮設住宅などで大いに役立っています。

また、災害から復旧する日数も早く、過去の災害時には、ほかのエネルギーサービスに先駆けてプロパンガスが復旧しているのです。
2011年に起きた東日本大震災は、3月11日に震災が発生しました。その後プロパンガスが全面復旧したのが4月21日。それに対し、都市ガスは5月3日、電力に関しては6月18日までかかっています。
また、この数字はあくまでも「全面復旧」です。実際には、震災の3~4日後にはボンベと機器・配管の点検が行われ、その翌日には入浴や調理ができた地域も多かったようです。

また、東日本大震災後には、およそ900の地域に、5万3000戸の仮設住宅がつくられましたが、どの住宅でも例外なくプロパンガスが利用されました。加えてガソリンスタンドの閉鎖が続く中で、LPガス自動車が活躍したという記録も残っています。

震災被害に遭われた方のなかには、プロパンガスの汎用性の高さに感心する方も多かったようで、特に東北地方や関東地方の太平洋沿いの地域では、プロパンガスの良さが再評価されているのです。
平時においては料金などが注目されがちになってしまうため、問題点が指摘されることの多いプロパンガスですが、今後はこのような大きな長所を上手にアピールしていくことも重要なのかもしれません。
実際に「災害時に強い」ということは、ひいては「人命保護」という観点で最も優れているサービスだと言うこともできるでしょう。このような部分を宣伝することによって、やや劣勢である一般家庭での利用状況を覆すことができるかもしれません。

エネルギーの併用も大事な選択肢のひとつ

近年では「電気=安全」というイメージを持たれている方も多いようで、オール電化の住宅を見かける機会が増えています。
「ガスを使うことがない」という点では、ガス事故が発生する可能性は0%ですので、その認識は間違っていないでしょう。

ただ、上述した通り、プロパンガスの事故件数は非常に少なくなっており、一般生活を送る上で遭遇する可能性のある事故よりも発生率は低いのです。
「ガス=危険」という認識は、明確に否定すべきことです。

また、災害時のことを考えた場合、一つのエネルギーに集中させることは、一定のリスクを伴います。オール電化住宅では、自家発電などの設備を整えていない限り、停電が起こってしまったら家庭内のエネルギーは全滅してしまうことになります。
一方でプロパンガスを備え付けてあるお宅であれば、停電時でも発電機として利用することも可能であるうえ、調理など平時と同じように生活できる部分を多く持っているのです。

1種類のエネルギーで家庭内のすべてをまかなうことができるのは、とても便利だと思います。ただし、それは平時においてのことであり、緊急時にはそれなりのリスクを伴うのです。ご家庭内のエネルギーを分散・併用することも、選択肢の一つとして覚えておいていたきたい事項です。

備蓄燃料としてのプロパンガス

プロパンガスはボンベやタンクなどの中に貯蔵されるため、空気に触れることがありません。酸素と触れることがないため「酸化」する心配がなく、劣化することがないのです。半永久的に使用することができるプロパンガスは、備蓄燃料としてとても優れているエネルギーであると言えるでしょう。

プロパンガス備蓄のはじまり

プロパンガスの国内備蓄がはじまったのは、1973年に起こった第一次オイルショックにより、日本中が大ダメージを受けたことがきっかけです。
この世界的な経済危機により、当時経済成長を続けていた日本国内でも、建設中であった新幹線の工事が大幅に延期になる、一般家庭においても生活用品が品薄状態となり物価が高騰するなど、非常に大きな影響を受けました。当時すでに日本中に普及していたプロパンガスや石油も品薄となるなど、経済は大混乱に陥ってしまったのです。

第一次オイルショックが起こった1973年の翌々年、1975年には、まず石油備蓄法が制定され、国家が石油を備蓄することを義務づけました。そして6年後の1981年には、石油備蓄法が改正され、プロパンガスが法定備蓄として義務づけられ、法律によりプロパンガスが貯蔵されるようになったのです。

国家備蓄と法定備蓄

プロパンガスは、「国家備蓄」と「法定備蓄」という2つの方法によって貯蔵されています。国家備蓄とは国によって備蓄されるもの。法定備蓄とは民間の元売事業者が備蓄しているものを指します。

国家備蓄は国内に5カ所、基地が設置されています。

・茨城県神栖市の神栖基地(神栖国家石油ガス備蓄基地事務所)
・石川県七尾市の七尾基地(七尾国家石油ガス備蓄基地事務所)
・岡山県倉敷市の倉敷基地(倉敷国家石油ガス備蓄基地事務所)
・愛媛県今治市の波方基地(波方国家石油ガス備蓄基地事務所)
・長崎県松浦市の福島基地(福島国家石油ガス備蓄基地事務所)

この5つで、独立行政法人の「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」が国から委託を受け総合管理をしています。ただ、実際の管理・保安業務に関しては、隣接する民間企業へと委託しています。
備蓄容量は、神栖基地がおよそ20万トン、七尾基地がおよそ25万トン、倉敷基地がおよそ40万トン、波方基地がおよそ45万トン、福島基地およそ20万トンとなります。
備蓄方法は、地上の巨大タンク型と地下のトンネル型の2つがあります。倉敷と波方が地下型の備蓄で、それ以外は地上のタンクにプロパンガスを貯蔵しています。

一方で、法定備蓄の基地は、全国に30カ所以上設置されています。代表的なものとして、岩谷産業とコスモ石油ガス・昭和シェルが共同で建設した茨城県の鹿嶋基地が挙げられ、22万トン以上のプロパンガスが備蓄されています。

石油備蓄法では、目標とすべき備蓄量を設定しており、現在のところは日本中に基地が設置され、それぞれ潤沢な量のプロパンガスを貯蔵できている状態です。そして有事の際には、国の指示によって基地に貯蔵されたガスが使用されるのです。

LPガス備蓄量
出典:日本LPガス協会

災害バルクの設置を国が支援

LPガス備蓄燃料災害バルクとは、上述したような大規模な備蓄ではなく、各自治体や学校・公民館・病院・ホテル、そしてプロパンガス事業者の営業所など、小規模な地域ごとのプロパンガス備蓄設備を指します。「バルク」とはパッケージという意味で、単にプロパンガスを貯蔵しているだけでなく、メーターやホースなどの供給設備から、コンロ・鍋・発電機・冷暖房などの消費設備までをまとめて保管してある災害対策専用の設備なのです。

様々な規模のものがありますが、1トン型バルクと呼ばれている1000kg貯蔵のバルクであれば、70人分の炊き出しをおよそ10日間行うことができる計算になります。

この災害バルクの設置に関しては国も重要視しており、2007年から金銭的な支援をはじめています。2016年までに571の施設が補助金を受けて災害バルクを設置しており、この流れは今後も継続されていくでしょう。
皆さまがお住いの街にも、災害バルクが設置されているかもしれません。万が一に備えて、ご近所の施設に大型のガスタンクが無いかどうか、探してみるのも良いでしょう。

プロパンガス事業者の経営戦略

2016年4月に電力、2017年4月に都市ガスが全面自由化されたことにより、エネルギー業界は大きな変革期を迎えています。これまでは閉塞的であったエネルギー関連各社の間で競争が行われるようになり、同時に新たな料金メニューや他サービスとのコラボレーション展開など、様々な工夫が見られるようになりました。
エネルギーの根幹を成す電力と都市ガスが自由化されたことで、これまでの「ガス会社はガスだけ」「電力会社は電気だけ」という垣根が崩壊しました。
現に電力が自由化されて以降、都市ガス最大手の東京ガスは、電気の顧客を順調に増やし続け、現在では国内でも数えるほどの電力会社へと変貌しつつあります。

都市ガス会社は、電力とのセット割引、電力会社は都市ガスとのセット割を展開している企業が多いなか、プロパンガスの各社はやや出遅れている印象があります。
各社が対応に迫られるなかで、プロパンガス大手のニチガスは都市ガスの自由化と同時に参入し、東京ガスの管轄エリアを中心として攻勢をかけるなど、一部の事業者では積極的な事業拡大を行っています。

プロパンガスは近年自由化されたのではなく、もともと自由化されています。本来であれば企業間の競争が活発に行われているはずなのですが、プロパンガス業界は長い間争いを避ける傾向にありました。首都圏を中心にようやく活性化がはじまってはいるのですが、地方では未だに争いを避ける風潮が根強く残っているのです。

都市ガスは自由化されたことにより供給区域をさらに広げる傾向にあるため、このままではプロパンガスは、今よりも需要家数を減らし続けていくことになるでしょう。
また、今後はプロパンガスも都市ガス・電力も合わせて、競争力を持っている企業、消費者に対して魅力的なサービスを提供し続けることができる企業が生き残っていくのではないかと考えられます。

他のエネルギー会社と対等に渡り合うためには、プロパンガス業界内で競争を活発に行われることが必須の条件となるでしょう。争いを避けるという体質が続くようでは、このまま都市ガスにシェアを奪われ続けることになってしまいかねません。

そして経営の多角化も重要なポイントです。日本国内では少子高齢化が加速度的に進み、人口も減少傾向にあります。従来のようにプロパンガスのみを販売するのでは、多くの事業者が経営に行き詰まるのではないかと見られます。電力はもちろんのこと、インターネットやウォーターサーバーなどの生活習慣に近いサービスとのセット販売など、今後は視野の広い事業展開をすることが求められていくでしょう。
また、日本国内の限られたパイを奪い合うのではなく、アジア市場など、海外の市場へと進出し、経営基盤を広げることも有効であると考えられます。

更には、地域密着型のプロパンガスならではのサービス展開も有効でしょう。上述したように少子高齢化が進み、お年寄りの消費者の割合が圧倒的に増えることになります。近所付き合いが希薄になる傾向の世の中ですが、プロパンガスは変わらずにボンベを届けなければなりません。消費者と定期的に顔を合わせることによって、少なからず信頼関係を構築しやすい立場にいるのです。
そのことを利用して、買い物代行や家事代行など、消費者の日常生活に寄り添うサービス展開が有効になるかもしれません。お年寄りの世帯が増えるなかで、ライフコンシェルジュのような立ち位置でのサービス展開を進めることも一つの方法です。

いずれにしても、プロパンガス会社がプロパンガスのみを販売するという形態は、いずれなくなっていくものと考えられます。

高圧ガス導管敷設距離の推移
出典:経済産業省

プロパンガスの未来

集中監視システムがキーポイント

プロパンガスの安全対策の一つとして集中監視システムというものがあります。これは消費者のガス利用にトラブルがないかどうかを24時間体制で監視するもので、マイコンメーターを電話回線につなげることによって可能にするものです。
ガス漏れや設備不良などをガス会社側が把握できるため、消費者からの通報がなくてもトラブルを検知できるという、とても優れたものです。

通常プロパンガス会社は、最寄りの拠点から直線距離にして20km以内の場所でなければ供給契約を結ぶことができません。これはガス事故が発生した時に、目安として30分以内に駆けつけることができる距離に相当します。つまり、20km以上の距離がある場合には、消費者にとってリスクがあるとされているのです。
しかし、この決まりには例外が定められています。「集中監視システムを持っており、その機能が顧客の50~70%をカバーしている場合」には、20kmではなく40kmまで契約を結ぶ距離が広げられるのです。それだけ集中監視システムは優秀であると認められているということでしょう。

ただし、近年では電話回線自体を持たない家庭も増えています。電話回線に代わり光回線が主流になっていることから、「電話回線による集中監視」は一般的ではなくなりつつあるのです。
電話回線にとって代わるのが、インターネット回線による集中監視システム。このインターネットによる監視が今後は主流になっていくと考えられ、時代の流れからしても、将来的には、ほぼすべてのお宅がインターネットによる24時間監視の対象になると思われます。

IoT 時代の到来によりさらに進化

上述したマイコンメーターをインターネットにつなげるということは、監視の目的のみではなく、他の様々な面で劇的な効果をもたらすと予測されます。
IoT(モノのインターネット)構想が進むことによって、ガス機器や他の家電製品などとの連携や、細かい使用量の把握など大きな可能性を秘めているのです。将来的には、おそらく「今日は、お風呂でガスを〇〇円使った」など、その日ごとの機器別のガス使用量と料金を、消費者がスマホやパソコンで把握できる時代が訪れるでしょう。これは2016年に自由化された電力に関しても同様で、IoTの普及はプロパンガスサービスにとって重要な鍵を握る存在となるのです。

また、使用量の把握のみならず、「ボンベ内のガス残存量」と、顧客の「ガス使用量」を把握することによって、最適なボンベ配送が実現すると考えられます。現在は、「今までのガス使用量」から逆算して大まかな予想によってボンベを交換している状態です。当然ながら事業者側としては、ガス切れを起こすことを避けなければなりませんので、かなりの余裕を持ってボンベを交換しています。つまりボンベにはまだかなりの量のガスが残されているのに交換をしなければならないのです。
ボンベの残量を正確に把握できることによって、この「無駄なボンベ交換」を無くすことが可能となります。これが実現すれば、ボンベの交換作業は大幅に効率化されると同時に、事業者にとって大きなコスト削減が実現できるでしょう。
また、機種によっては、ボンベ配送車の最適な配送ルートまで自動で表示してくれるようなメーターも開発されています。

将来的にこのような技術が一般化すれば、プロパンガスの料金は大幅に下がる可能性を秘めています。プロパンガスが料金だけで、都市ガスに対抗できるようになる日も遠くはないかもしれません。

プロパンガス業界の未来

LPガス需要世帯数
出典:日本LPガス協会

上述したように、プロパンガスは大きな魅力を持つサービスである一方で、解決しなければならない課題が山積している状況です。
特に料金に関する問題や、業界全体が持つ不透明感を払拭することができれば、本来であれば都市ガスに負けないほどの価値を持っているはずなのです。

プロパンガス業界に少しでも携わる人間として、プロパンガスのことを知るごとに今まで知らなかった魅力に気付かされる一方で、業界独自のルール決め、慣習に戸惑うこともしばしばありました。

本来であれば大きな支持を集めることができるサービスであるにも関わらず、見方によっては、プロパンガス業界の慣習がそれを阻んでしまっているとも見ることができるかもしれません。しかし、同時に今後の展開によっては、大きく発展する可能性を秘めています。
プロパンガス業界に携わる法人として、業界全体が良い方向へと向かう一助となると同時に、プロパンガスに関してお困りの消費者の方に対して、少しでもお力となることができれば幸いと考えています。