公営住宅のプロパンガスについて解説
公営住宅のプロパンガスについて解説

このページでは、公営住宅プロパンガスLPガス)について解説しています。

プロパンガスは、物件の所有や形状によって切り替えの可否が異なるサービスです。公営住宅では、プロパンガス会社を選ぶことができるのか、事業者を切り替える際の手順などを記載しています。

この記事は次のような人におすすめ!

  • 公営住宅にお住まいで、プロパンガス料金が高いと感じている方
  • これからプロパンガス供給の公営住宅へ引越しする方
  • プロパンガス供給の公営住宅の管理者の方
注意
この記事で主に記載しているのは、自治体や住宅供給公社など公的またはそれに近い機関が所有している公営住宅においての内容です。
物件によっては、個人のオーナーがいる公営住宅もあるなど、例外があることをあらかじめご承知おきください。
また大型の集合物件では、入札によりガス会社を決定していることもあります。その際は、同じく下記の流れとは異なります。

公営住宅のプロパンガスの特徴

公営住宅はLPガス会社変更が制限されていない
設備投資などのサービスを受けていないことが多い

公営住宅は、自治体などの公的機関が所有している建物です。

自治体の表記
公営住宅の中には、各自治体から住宅供給公社などの機関へ管理業務が委託されていることがあります。
以下の表記は「自治体」で統一していますが、物件によっては「住宅供給公社」などの管理機関が当てはまることもあります。
「自治体」と表記している場合は、「各物件を管理している相談窓口」とご認識ください。
市営住宅・市営団地などの名称
公営住宅の種類としては、県営住宅・都営住宅・府営住宅・市営住宅・町営住宅など様々ありますが、自治体が所有している居住用物件を指しています。
また県営団地・市営団地などと呼ばれる物件もあるかと思いますが、所有者が自治体であれば公営住宅と同じ意味ということでご認識ください。

公営住宅のプロパンガス会社選びは、比較的自由度が高いことが特徴として挙げられます。

通常の個人オーナーが所有している賃貸物件では、ガス会社と所有者が長期契約を結んでいることがあります。この場合には、ガス会社を変更することが難しくなってしまいます。

これは個人オーナーの場合、「ガス会社から設備に関する投資を受けている可能性がある」ことが要因です。オーナーとガス会社が密接に結びついているので、切り替えに対して消極的なことが多いのです。

しかし公営住宅の場合には、ガス会社から所有者である自治体に対して、設備投資などの利益供与を行うことは通常ありません。

そのため公営住宅では、基本的に自治体側からガス会社を指定する理由がないのです。

公営住宅では、個人所有の物件に比べると、入居者発信での切り替えが実現しやすいという特徴があります。

「あわせてご覧ください」集合住宅関連ページ
  • アパートなど標準的な集合住宅⇒詳細
  • 70戸以上の超大型集合住宅⇒詳細
  • 分譲マンション⇒詳細
  • 住宅供給公社⇒詳細
  • UR賃貸住宅⇒詳細
  • 所有している物件を貸し出しているオーナー様⇒詳細
  • 集合住宅の管理会社様⇒詳細

「戸建住宅」公営住宅のプロパンガス

戸建ての公営住宅はガス会社を選べることが多い
戸建ての公営住宅はガス会社を選べることが多い

一戸建ての公営住宅では、一般的には入居者が自由にガス会社を選ぶことができます。

ただし、100%絶対に入居者の自由になるということではありません。すでにお住まいの方の切り替えと、これからお引越しされる方の手続きについて記載いたします。

一戸建ての公営住宅でガス会社を変更する

一戸建ての公営住宅では通常、ガス会社選びは制限されておらず、入居者が自由に切り替えできるようになっています。

ガス会社を変えて良いか確認しましょう
ただし、何らかの理由でガス会社が決められている可能性は否定できませんので、まず自治体の担当者に「ガス会社を変更して良いかどうか」をご確認ください。

ガス会社を変更することが問題ないようでしたら、当社でご相談を承ることが可能です。

切り替えた場合のガス料金に関しては、料金表ページに掲載している各自治体の金額をご参照ください。

一戸建ての公営住宅に引越しする方

一戸建ての公営住宅にこれからお引越しされる方も、基本的には上述した内容と同様です。

まずは自治体の担当の方に「ガス会社は自分で決めても良いのか?」をご確認ください。ご自身でガス会社を決めて問題ないということでしたら、当社で開栓予約を承ることが可能です。

日程に余裕を持ってご相談ください
ご注意としまして中古住宅では、以前にその物件に供給していたプロパンガス事業者のボンベやメーターが残っていることがあります。
その場合には、「7日間の日にちを空けなければ切り替えることができない」という決まりがあります。最低でも開栓希望日よりも10日前には、できればお引っ越しが決まりましたら早めにご相談ください。
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「集合住宅」公営住宅のプロパンガス

集合住宅は建物でガス会社が決まっている
個々でプロパンガス会社を選ぶことはできない

公営住宅のアパートやマンションにお住まいの方は、プロパンガス会社を変更できるのでしょうか。

集合住宅は一棟の契約
前提として一般の集合住宅では、物理的な問題から「一部屋だけガス会社を変える」ことはできません。
プロパンガス会社を変えるとしたら、他の部屋もまとめて、つまり「一棟まとめて切り替える」しか手段がないのです。例外で切り替え可能なメゾネット物件などもありますが、詳しくは一般の集合住宅用のページで解説しています。
参照:集合住宅のプロパンガス

公営の集合住宅でもプロパンガス物件は多い

例えば東京都や大阪府など、都市ガスが広く供給されている地域においては、プロパンガス供給の都営住宅・府営住宅は多くありません。

都市ガスを引き込むことができる地区に建つ公営住宅は、一般的に都市ガスが導入されます。

一方で都市ガスの導管が届いていない地域においては、当然ながら都市ガスを引き込むのは不可能です。特に地方の市営住宅や町営住宅などでは、プロパンガス供給の集合住宅がたくさんあります。

公営の集合住宅に引越しする方

上記したように集合住宅は、建物でプロパンガス会社が決まっています。

これから公営の集合住宅にお引越しする方は、建物で決められているガス会社に開栓のご連絡をしていただくことになります。

当社で開栓予約をお受けすることはできませんのでご注意ください。

公営の集合住宅でプロパンガス会社を変更する

意思決定者がLPガス会社を変更する
集合住宅は全部屋同時に変更する

それでは公営のアパートやマンションにすでにお住まいの方がガス会社を変えるには、どのような手続きが必要なのでしょうか。

基本的な考え方としては、一戸建ての場合と同様です。

物件所有者、公営の場合には自治体の許諾をもらえれば、一棟切り替えることが可能です。

管理者に相談
ガス代が高くて困っている方は、まず自治体の担当者へ相談してみましょう。担当の方が、ガス会社を変えることを「検討しても構わない」というお返事でしたら、利用明細をお手元にご用意いただいた上で、当社までご相談ください。

変更の流れなどを含めて、詳細はこちらから自治体の担当の方へご案内いたします。

自治体に連絡する前に「現在の料金が高いのかどうかを確認したい」「切り替えの流れなどを含めて確認してから自治体に相談したい」など、事前に確認をしたいという方は、まずは当社へご相談ください。

住宅供給公社の管理物件
公営住宅の中には、住宅供給公社が管理している建物も多く含まれています。住宅供給公社の大型物件では、自治会などがガス会社選択の意思決定をしていることもあります。
決定権者の意向により全部屋切り替えるという点では通常の公営住宅と同じなのですが、自治会に決定権がある場合には流れが少し異なります。
公社賃貸住宅で自治会が設置されている建物に住んでいる方は、こちらもあわせてご覧ください。
住宅供給公社のプロパンガス

管理組合や自治会がある公営住宅

公営住宅でも大型物件では、管理組合や自治会が設けられている建物も多いでしょう。

大型の公営住宅
大型物件では、自治体や住宅供給公社から管理組合や自治会に意思決定が一任されていることが少なくありません。
その場合には、理事会などでプレゼンの場を設けて頂き、理事の方に向けて切り替え時のメリットなどをお伝えする流れになります。

過去の事例においても、住宅供給公社の管理物件で自治会が設置されており、自治会長の判断でLPガス会社を変更したことがありました。

その他にも公営住宅では、居住者の過半数の同意を得てから変更作業に入ることも多いなど、切り替えに至る流れが様々です。

特別料金が提案できる可能性も
大型の公営住宅では、分譲マンションと同じ流れで切り替えを行うことになるほか、特別に安い料金を提案できることもあります。分譲マンションのページもあわせてご覧ください。
分譲マンションのプロパンガス
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UR賃貸住宅にお住まいの方

都市再生機構(UR都市機構)が管理している集合住宅でも、基本的な考え方は一般の公営住宅と同様です。

UR都市機構は、厳密には公的機関ではなく独立行政法人です。ただ一般の集合住宅とは違い、業務内容が「独立行政法人都市再生機構法」によって定められています。

UR賃貸にお住まいの方
UR賃貸住宅においても、管理者が同意すればLPガス会社を変更することは可能です。「ガス代が高いのではないか?」と感じている入居者の方は、URの管理事務所に相談してみましょう。
UR賃貸住宅におけるガスについては、別ページでも解説しています。
基本的な流れは、このページに記載している内容と同じですが、あわせてご覧ください。
UR賃貸住宅のガスについて
70戸以上の大型物件
巨大なURの団地では、コミュニティーガス(集中プロパン)が供給されている可能性もあります。
具体的には、70戸以上の集合住宅が該当します。コミュニティーガスは通常のLPガスとは異なり、事前認可の料金制になっていますので、単価が安く抑えられている可能性もあるでしょう。
70戸以上の大型集合住宅

入札でガス会社を決めている公営住宅

公営の建物の中には、入札によりガス会社が決められていることがあります。

例えば市役所や警察署などの公的機関でプロパンガスが供給される際、入札が採用されることもあるでしょう。相見積もりを取って、最も安いガス会社が選ばれるのです。

戸建ての公営住宅であれば入札はありませんが、大型集合物件では定期的な入札でガス会社が決まっていることがあり得ます。

入札でガス会社を決めている場合
入札では、ガス会社と物件所有者が期間を決めて契約書を交わしていますので、入居者が希望したからといって、ガス会社を契約途中で変更することはできません。

ただ入札でガス会社を決めている建物では、ガス料金も契約内容に含まれていますので、とんでもなく高い金額に設定されていることは通常ありません。

公営の集合住宅のLPガス料金

物件ごとに調査した上で料金が決まる
物件ごとに調査した上でガス料金を見積もり

ガス会社を変更したとして、基本料金や1㎥あたりの単価はいくらになるのでしょうか。

基本的にプロパンガス料金は、各地域によって相場の金額があります。また「ガス使用量の見込み」、「物件の規模や状態」などによっても提案できる金額が異なります。

ガス料金は個別の見積もり
ガス会社を変えた際の価格がいくらになるのかについては、個別の対応となりますので一概に記載することが難しくなっています。
ご相談をいただいた上で物件調査を行い、物件ごとに見積もりを提出することになります。

公営住宅では、設備投資することが一般的ではないため、個人オーナーの集合住宅よりも安い料金で提案ができる傾向にあります。

今のガス料金が高いのではと考えている方は、まずはお気軽にご相談ください。

集合住宅のプロパンガス料金は相場が高い

プロパンガス業界の特徴として、集合住宅のガス料金は高めに設定される傾向があります。

集合住宅は料金の相場が高い
集合住宅は、戸建とは異なり居住者個人の意思でガス会社の変更ができません。頻繁に切り替えが行われるものではなく、ガス会社にとっては「他社に変更されてしまう」リスクが少ないのです。
そのため集合住宅のガス料金は、特に理由がない場合でも、高めに設定されてしまう傾向があるのです。

また「切り替えに手間がかかる」「切り替え方がわからない」「管理会社やオーナーに言いづらい」などという理由で、集合住宅に住んでいる方は、「ガス代が高いのは仕方がない」と諦めてしまう方が多いのも事実です。

過去に当社が切り替えに携わった事例では、相当な高値に設定されていた物件も少なくありませんでした。半額近くまで単価を下げられたこともあります。

「ガス代が高くて困っている」、「プロパンガスは高いので、なるべくお風呂を沸かさないようにしている」、このようなご相談をいただいたことがあります。

ガス料金を少しでも安くしたいと考えている方は、ぜひこの機会に切り替えを検討してみてください。集合住宅であったとしても、ガス会社を変えることは十分に可能です。

プロパンガス会社変更に際しての注意事項

LPガス代が安くなる
ガス会社の変更が有効

プロパンガス会社を切り替える際、屋外にあるボンベやメーター、調整器などの供給設備を交換します。

現在供給中のガス会社の設備を撤去・返却、新しいガス会社のものを設置するのですが、作業はどちらも切り替え先のガス会社が行います。

大型物件の場合には、一般家庭でも使用されている通常のボンベではなく、「バルク」と呼ばれる大きなタンクから供給されていることもありますが作業内容は同じです。

ガス会社変更の流れ
集合住宅の変更手順に関しては、別ページでも記載しています。
参照:集合住宅のプロパンガス会社変更手順

以下、ガス会社を切り替える際のよくある質問や諸注意に関して記載いたします。

プロパンガス会社の乗り換えは無料

ガス会社を変える際に費用は一切かかりません。

切り替え費用は0円
入居者に何かお支払いいただく料金が発生するということはありませんのでご安心ください。また同様に自治体(所有者)が支払わなければならない費用もございません。
上記のボンベやメーターの交換作業などは、基本的にサービスの範疇に含まれることになります。

金銭的な負担がないので、プロパンガスの切り替えは検討しやすくなっています。

各入居者への説明

各入居者への案内は切り替え先ガス会社が行う
各入居者への案内は切り替え先ガス会社が行う
プロパンガス会社が切り替わる際に入居者の方には、
  • 供給契約書の記入
  • お支払い方法の登録
  • ガスが使用できない時間帯の注意
  • 供給開始時点検の立ち合い
以上が注意点や必要事項として挙げられます。

供給する企業が変わりますので、ガス代の支払先も変わることになります。クレジットカード払いや口座引き落としなど、各入居者は希望の支払い方法に登録し直す必要があります。

ガスが使えない時間帯
事業者の切り替えでは、ガスが使用できない時間帯が発生します。これは「旧事業者のボンベやメーターを撤去、新事業者の設置」を行う時間帯においてです。
時間は物件の規模によりますが、大型物件では半日程度費やすでしょう。

切り替え日が決定した後、新事業者はこれらのような諸注意事項を各戸に訪問または手紙を投函して説明することになります。

これらの作業は、すべて切り替え先のガス会社が行います。

供給開始時点検
LPガス会社が新たに供給を開始する時、「供給開始時点検」を行うことが法令により義務付けられています。
ボンベやメーターのチェックはもちろん、顧客宅内のガス機器についても安全が確保できているかどうか点検する必要があるのです。
宅内の作業が含まれますので、供給開始時点検はお客様の立ち合いが必須となります。
通常の集合住宅切り替えでは、工事日を週末に設定した上で事前に点検がある旨の案内を送付し、工事後速やかに点検作業が進められます。
参照:供給開始時点検の解説

プロパンガスの質は同じ

プロパンガスの成分は統一されている
プロパンガスの成分は統一されている

プロパンガスは、電気やガソリンなどと同じく「商品の質」としてはどの企業も同じです。

プロパンガスは、「プロパン」と「ブタン」を主成分としていますが、それぞれの割合などについては、法律により定められています。

供給するガス会社が変わったとしても、ガス自体の「質」が変わることはありません。従って事業者を変更したとしても、ガス機器は今まで通り使うことができます。

公営住宅のプロパンガス切り替え(まとめ)

ここまで公営住宅のプロパンガスについて解説しました。

公営住宅のプロパンガスは切り替えしやすい
公営住宅は、自治体が持ち主であるので、自治体の許可をもらえればガス会社を変更することは難しくありません。
自治体にとっても、「ガス料金が安くなる」など、入居者にとってのメリットがある話であれば、切り替えが難しい物件でない限りは許諾する傾向にあります。

また費用もかからない上、入居者に負担が少ない形で変更することができます。

「現在のガス料金が高いのではないか」「高いのかどうかを知りたい」という方は、明細をご用意の上で当社までご連絡ください。

もしも、すでにガス料金が高いことを確信している方、具体的な話を進めて欲しいという方は、自治体にご連絡していただいた上で、先方の情報を控えて当社までご相談ください。

プロパンガス料金は、法律で規制されていない自由なサービスです。もしかすると、ご自宅のガス代を大幅に安くすることができるかもしれません。

ぜひこの機会に、ガス代を見直す機会を設けることをお勧めいたします。

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