
プロパンガスと都市ガスでは、どのくらい料金が違うのでしょうか?
このページでは、関東地方のプロパンガスと都市ガスの料金を比較した結果を掲載しています。
お引っ越しや切り替えなどでプロパンガスと都市ガスの料金を比べたい方は、ぜひご参照ください。
ここで掲載している内容は、プロパンガスと都市ガスの料金比較に記載した情報を前提としています。まだご覧になっていない方は、あわせてご確認ください。
目次
関東地方のプロパンガスと都市ガスの料金差額
ガス会社名 | 都市ガス11㎥・プロパン5㎥の請求額 | 都市ガス22㎥・プロパン10㎥の請求額 | 都市ガス44㎥・プロパン20㎥の請求額 | |
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都市ガス料金 | 東京ガス | 2344 | 3901 | 6746 |
京葉ガス | 2478 | 4106 | 7040 | |
東彩ガス | 2724 | 4590 | 7739 | |
静岡ガス | 3147 | 5392 | 9482 | |
北陸ガス | 2158 | 3692 | 6528 | |
プロパンガス 標準料金 | イワタニ首都圏 | 7205 | 12100 | 21890 |
ニチガス | 4675 | 7700 | 13200 | |
TOKAI | 7755 | 12815 | 22935 | |
サイサン | 5665 | 9284 | 16434 | |
レモンガス | 5005 | 8030 | 13860 | |
プロパンガス関東地方平均料金 | 5157 | 8412 | 14688 | |
新潟県プロパンガス最安値料金 | 3850 | 5940 | 10120 | |
埼玉県プロパンガス最安値料金 | 3190 | 4730 | 7810 |
- 東京ガス:「東京地区等」一般契約料金より
- 京葉ガス・静岡ガス:一般料金より
- 東彩ガス:「越谷・春日部地区」一般料金契約より
- 北陸ガス:「新潟地区」一般契約より
- イワタニ首都圏・レモンガス:戸建住宅標準料金より
- ニチガス・TOKAI:標準料金より
- サイサン:「関東地区」戸建標準料金より
※原料費調整額を採用・公表している会社は、調整後の料金で計算しています。
使用量に関しての注意

プロパンガスと都市ガスでは、熱量が異なります。
詳しくはこちらのページで解説していますが、プロパンガスの方が熱量は約2.2倍多いのです。
従って使用量は、
- プロパンガス5㎥に対して都市ガス11㎥
- プロパンガス10㎥に対して都市ガス22㎥
- プロパンガス20㎥に対して都市ガス44㎥
この3パターンで比較しています。
尚、ここでの関東地方の区分は、石油情報センターに基づいています。広域関東圏と呼ばれる区分けがされていますが、具体的には以下の都県です。クリックしていただくと、各地域のプロパンガス料金表ページに遷移します。
都市ガスの方がプロパンガスよりも料金が安いことが多い
料金表をご覧いただいた通り、
- 多くのケースでは都市ガスの方がプロパンガスよりも料金が安い
- 環境によっては、プロパンガスも都市ガスと同等の料金で使用することができる
- 差額は会社によって違う
という結果です。
2023年9月時点では、都市ガスの原料価格が下がってきたことで、ほとんどのケースで都市ガスの方が安いという結果になっています。
一覧を見ていただくと、プロパンガス料金は各社の差額が大きいことがわかるかと思います。プロパンガスの標準料金と比べると、都市ガスの方が圧倒的に安くなっています。「標準料金」は、必ずしもその金額が適用されるということではありませんので注意が必要です。
戸建住宅や分譲マンションなどにお住まいで、プロパンガス料金を安く利用できる環境であれば、都市ガスと同じ水準またはそれ以下にすることも不可能ではありません。
ただプロパンガス最安値料金は、必ず適用できる金額ではないことに留意する必要があります。
さらに都市ガスは、割引のない「一般料金」で計算しています。都市ガスの割引プランが適用される環境の方であれば、都市ガスの方が安く利用できるでしょう。
- 都市ガスは、都市部のみで使用できる地下の配管を通して供給する。
- プロパンガスは、ボンベを個別で配送して供給する。
事業者にとって都市ガスは、整備するための初期費用が莫大にかかるというデメリットがありますが、その後の供給に関しては、少ない手間で供給できます。
一方でプロパンガスは、初期投資は少額にできますが、定期的にボンベを交換する必要があるため、人件費を含めた配送コストがかかってしまいます。
このような理由のほか、下記に記載するような両者の料金体制の違いも影響して、プロパンガスは料金が高くなる傾向にあるのです。
尚、他地域の比較表をご覧になりたい方は、こちらからご確認ください。
都市ガスの料金は公平

都市ガス料金の最大の特徴は、すべての顧客に対して平等であることです。
都市ガスは、かつて総括原価方式と呼ばれる規制料金が採用されており、国によるチェックが入っていました。また公共料金という位置付けであるため、「すべての顧客に対して公平であること」が必須条件として求められていたのです。
2017年に小売事業者が全面自由化されたことを受け、現在はほとんどの事業者が自由料金制へと移行していますが、すべての方に対して同じ条件で料金が決定されるという方針は変わっていません。
都市ガスでも、お住まいの地域や使用するガス機器により料金プランが違うこともあるのですが、それは「皆さん同じ条件」です。
一戸建てであろうと集合住宅であろうと関係ありません。一人暮らしでも家族住まいでも同じ条件で料金が決まります。
従って都市ガスの料金は、使用する地域やガス機器がわかれば引っ越し前でも計算することができるのです。
プロパンガス料金は個別で見積もり

プロパンガス料金は、以前から「自由料金制」です。
その名のもとにプロパンガス料金は、各お宅でバラバラに設定されることが一般的です。
つまり、ガス会社の一存で高くされることもあれば、安くできることもあるのです。
プロパンガス料金は、適用される料金が決まっていないというのが最大の特徴です。「株式会社〇〇ガスの料金は必ず〇〇円」と決まっている訳ではありませんのでくれぐれもご注意ください。
料金表では、各社の「標準料金」を中心に比較していますが、必ずしもこの料金が適用されるとは限りません。
※標準料金とは、経済産業省からの指導により各社の一般的な料金をホームページなどで公開しているものです。
また料金の値上げや値下げも頻繁に行われています。
プロパンガスは、戸建てか集合住宅かなど、環境によって適用される料金が大きく異なります。
戸建てにお住まいの方であれば、当社でプロパンガス会社の切り替え案内を行うことが可能です。特に関東地方は、全国的にプロパンガス料金が最も安い地域です。
戸建てにお住まいの方は、場合によっては都市ガスと同水準の料金で利用することができるでしょう。
プロパンガスの方が安いこともある

プロパンガス料金は自由であるため、逆にとても安い料金が適用されることがあります。
例えば業務用でガス使用量がとても多い工場や大型の集合住宅などでは、都市ガスよりも安い料金で提案されることも少なくありません。
多くのお宅では「都市ガスよりもプロパンガスの方が料金は高い」というのが事実ですが、必ずしもすべてのケースに当てはまるとは限りません。
プロパンガスと都市ガスは違うサービス

そもそもプロパンガスと都市ガスは、異なるサービスです。
成分が異なる上に使用するガス機器も違います。
それぞれ違うサービスを正確に比較することは不可能ですので、上記の料金一覧はあくまでも目安として参照していただければと思います。
実際のところは、使ってみなければわからないのです。
またこれからお引越しされる方で都市ガスとプロパンガス物件を比較している場合は、使用するガス機器などによって使用量が変わることにも注意するべきでしょう。
例えば新しい給湯器では、高効率でエネルギーを生み出すことができるため、ガスの使用量を抑えることができます。
従って「プロパンガスだから高い」「都市ガスだから安い」というだけでなく、使用する場所の環境によってガス料金は増減するということも覚えておいてください。
関東地方のプロパンガスと都市ガス
関東地方は、最大手・東京ガスの供給区域が広く、都市ガスの需要家数が最も多い地域です。
東京都心や横浜市中心部などでは、プロパンガスの物件はほとんど無く、都市ガスかオール電化が普及しています。
一方で中心部を離れるに連れて、プロパンガスの利用率も上がっています。埼玉県、神奈川県、千葉県など都市ガスの導管が整備されている地域であっても、プロパンガス供給の物件が散見されます。
また関東地方においても、都市ガスが全く供給されていない自治体は多数あるという状況です。
この記事をご覧になっているのは、都市ガスとプロパンガスが混在している地域にお住まい、またはお引越し予定の方が多いかと思います。
賃貸住宅の場合、プロパンガス供給物件は、都市ガスの物件よりも家賃が安い傾向にありますが、ガス代は割高になる可能性が高いため注意が必要です。
都市ガスの料金を見ると、東京ガスを含む各社の料金は、他の地方よりも安い傾向にあります。これは、人口が多く競争が激しいことをはじめとして、東京湾に近く物流の面で有利な状況にあること、さらに降雪が少なく物流コストが安く抑えられることなど、様々な事情が影響しています。
一方のプロパンガス料金も、同じく他の地方よりも安い傾向にあります。
都市ガス料金に影響されて相場自体が安いこと、さらにプロパンガスの場合には降雪が少ないことが物流コストに大きく影響していると考えられるでしょう。
ただし、繰り返しますがプロパンガスは、個別の見積もりになるサービスです。いくらで適用されるのかは、各お宅によって決まります。
特にプロパンガス供給の集合住宅は、ガス会社を選ぶことができません。入居者自身の意思により安いガス会社へ変えるという選択ができないため、引越しされる方は十分に注意しましょう。
尚、地域の都市ガス一般ガス導管事業者がどこなのか知りたい方は、日本ガス協会のホームページをご確認ください。


関東地方のプロパンガスと都市ガス料金(まとめ)
ここまで関東地方のプロパンガスと都市ガスの料金比較について解説しました。
結論としては、「多くの場合では、料金は都市ガスの方が安い」ということができます。
両者の決定的な違いは、
- 都市ガスの料金は確定している
- プロパンガスの料金は確定していない
という点です。
都市ガス料金は、すべての顧客に対して同じです。対してプロパンガスの料金は、個々の顧客によって料金が変わります。(プロパンガスでも一部の事業者や物件によっては、料金が統一、確定していることもあります。)
従って都市ガスの方が安い傾向にあるとはいえ、差額に関してはその物件によって変わることになるのです。
特に賃貸の集合住宅へお引っ越しを考えている方は、プロパンガス料金が高めに設定される傾向がありますのでご注意ください。ただ分譲の集合住宅の場合には、非常に安く設定されている物件もあります。
一方で戸建て住宅の場合には、プロパンガス業界の競争が激しいため、そこまで差額は大きくない傾向にあります。
現在、日本国内では、総合的に一般家庭でのプロパンガスの利用者数は減少しており、都市ガスは増加しています。
都市ガスの方は料金が平等で安心できる。一方でプロパンガスは、料金が高い上にいくらで設定されるかわからない。こう考えると人気に差がでるのは当然と言えるかもしれません。
以上、プロパンガスと都市ガスの料金比較をしたい方の参考になれば幸いです。