関西地方のプロパンガスと都市ガス料金を比較

プロパンガスと都市ガスでは、どのくらい料金が違うのでしょうか?

このページでは、関西(近畿)地方のプロパンガスと都市ガスの料金を比較した結果を掲載しています。お引っ越しや切り替えなどでプロパンガスと都市ガスの料金を比べたい方は、ぜひご参照ください。

ここで掲載している内容は、プロパンガスと都市ガスの料金比較ページに記載した情報を前提としています。ご覧になっていない方は、あわせてご確認ください。

この記事は次のような人におすすめ!

  • プロパンガスから都市ガスへの変更を検討している方
  • これから関西地方へ引越しで物件選びをしている方
  • プロパンガス料金が高いと感じている方

関西地方のプロパンガスと都市ガスの料金差額

2024年2月調査・単位:円・税込み・小数点以下切り捨て
ガス会社名都市ガス11㎥・プロパン5㎥の請求額都市ガス22㎥・プロパン10㎥の請求額都市ガス44㎥・プロパン20㎥の請求額
都市ガス料金大阪ガス278147448123
大津市企業局253843477643
大和ガス305153279381
プロパンガス
標準料金
伊丹産業6322944315376
エネアーク関西5115803013392
イワタニ近畿68201138520185
プロパンガス近畿地方平均料金5386867914931
プロパンガス最安値料金3850594010120

原料費調整額を採用・公表している会社は、調整後の料金で計算しています。

プロパンガスの標準料金
一覧を見ていただくと、プロパンガス料金は各社の差額が大きいことがわかるかと思います。
プロパンガスの標準料金と比べると、都市ガスの方が圧倒的に安くなっています。ただ「標準料金」は、必ずしもその金額が適用される訳ではありませんので注意が必要です。
参照:標準料金の解説

比較に際しての注意

プロパンガスは都市ガスよりも熱量が2.2倍多い
同じ作業をする際、プロパンガスの方が使用量が少ない

プロパンガスと都市ガスでは、熱量が異なります。

プロパンガスは、都市ガスよりも熱量が約2.2倍多くなっています。簡単に言うと、プロパンガスの方が少ない使用量で済むのです。詳しくはプロパンガスと都市ガスの違いで解説しています。

熱量の違いを加味して計算
  • プロパンガス5㎥に対して都市ガス11㎥
  • プロパンガス10㎥に対して都市ガス22㎥
  • プロパンガス20㎥に対して都市ガス44㎥
この記事では、3パターンの使用量で比較しています。
関西地方の区分
このページでの関西地方の区分は、石油情報センターに基づいています。近畿地方と同一の意味として捉えてください。
具体的には、以下の府県です。クリックしていただくと、各地域のプロパンガス料金表ページに遷移します。
大阪府兵庫県京都府
奈良県滋賀県和歌山県
福井県

関西地方では都市ガスの方がプロパンガスよりも料金が安いことがほとんど

関西地方のプロパンガスと都市ガス
  • 多くの場合で都市ガスの方がプロパンガスよりも料金が安い
  • 差額は会社によって違う
料金表をまとめると、このような結果になっています。
都市ガス料金の方が安い
料金表を見ていただくと、プロパンガスよりも都市ガス料金の方が安いのがおわかりいただけるかと思います。
プロパンガスの標準料金と比べると大きな差額があるのがわかります。
近畿地方では、ほとんどのお宅では、プロパンガスより都市ガス料金の方が安いということになるでしょう。

都市ガスは、割引のない「一般料金」で計算しています。都市ガスの割引プランが適用される環境であれば、さらに差額が大きくなるでしょう。

両社の供給方法が料金に影響している

  • 都市ガスは、地下の配管を通して供給するので都市部でのみ使用できる。
  • プロパンガスは、ボンベを個別で配送して供給するので、どこででも使用できる。
初期投資額の違い
企業にとって都市ガスは、整備するための初期費用が莫大にかかるというデメリットがありますが、その後の供給に関しては、少ない手間で供給できます。
一方でプロパンガスは、初期投資は少額にできますが、定期的にボンベを交換する必要があるため、人件費を含めた配送コストがかかってしまいます。

このような理由のほか、下記に記載するような両者の料金体制の違いも影響して、プロパンガス料金は、高くなる傾向にあるのです。

他地域のプロパンガスと都市ガス料金比較表
関東地方中部地方東北地方
北海道四国中国地方
九州

都市ガスの料金は公平

都市ガスは同じ条件で料金プランが決まる
都市ガスは自宅だけ高くされるような心配がない

都市ガス料金の最大の特徴は、すべての顧客に対して平等であることです。

都市ガス料金は「どの顧客に対しても公平」
都市ガスは、かつて総括原価方式と呼ばれる規制料金が採用されており、行政によるチェックが入っていました。
また公共料金という位置付けであるため、「すべての顧客に対して公平であること」が必須条件として求められているのです。
2017年に小売事業者が全面自由化されたことを受け、現在はほとんどの事業者が自由料金制へと移行していますが、「すべての方に対して同じ条件で料金が決定される」という方針は変わっていません。

都市ガスでも、お住まいの地域や使用するガス機器により料金プランが違うこともあるのですが、それは「皆さん同じ条件」です。

一戸建てであろうと集合住宅であろうと関係ありません。一人暮らしでも家族住まいでも同じ条件で料金が決まります。

従って都市ガスの料金は、使用する地域やガス機器がわかれば引っ越し前でも簡単に計算することができるのです。

プロパンガスの料金は個々で異なる

LPガス料金はそれぞれのお宅で料金が異なる

プロパンガス料金は、以前から「自由料金制」です。

その名のもとにプロパンガス料金は、各お宅でバラバラに設定されることが一般的です。

つまり物件によって高くされることもあれば、安くできることもあるのです。

プロパンガス料金は建物によって違う
プロパンガス料金は、適用される料金が決まっていないというのが最大の特徴です。「株式会社〇〇ガスの料金は必ず〇〇円」と決まっている訳ではありません。

料金表では、各社の標準料金や平均価格、最安値を記載していますが、必ずしもこの料金が適用されるとは限りません。都市ガス料金とは違うことがおわかりいただけたでしょうか?

プロパンガスは、戸建住宅か集合住宅かなど、環境によって適用される料金が大きく異なります。

戸建てにお住まいの方であれば、当社でプロパンガス会社の切り替えや引越しの相談を承っています。戸建住宅にお住まいの方は、都市ガスと同水準の料金で利用できる可能性もあります。

Inquiry
Webform

プロパンガスの方が安いこともある

プロパンガスは特別料金ができることもある
プロパンガスは自由な料金対応ができる

プロパンガス料金は自由に提案できるため、逆にとても安い料金が適用されることがあります。

プロパンガスは特別料金の提案ができる
例えば業務用でガス使用量がとても多い工場や大型の集合住宅などでは、都市ガスよりも安い料金で提案されることも少なくありません。

多くのお宅では「都市ガスよりもプロパンガスの方が料金は高い」というのが事実ですが、必ずしもすべてのケースに当てはまるとは限りません。

プロパンガスと都市ガスは違うサービス

プロパンガスと都市ガスは様々な点で異なる
実際の料金はその場所で使ってみてからわかる

そもそもプロパンガスと都市ガスは、異なるサービスです。

成分が異なる上に使用するガス機器も違います。

環境によって使用量が異なる
それぞれ違うサービスを正確に比較することは不可能ですので、上記の料金一覧はあくまでも目安として参照していただければと思います。
実際のところは、使ってみなければわからないのです。

これから引越しされる方で都市ガスとプロパンガス物件を比較している場合は、使用するガス機器などによって使用量が変わることにも注意するべきでしょう。

例えば新しい給湯器では、高効率でエネルギーを生み出すことができるため、ガスの使用量を抑えることができます。

従って「プロパンガスだから高い」「都市ガスだから安い」というだけでなく、使用する場所の環境によってガス料金は増減するということも覚えておいてください。

近畿地方のプロパンガスと都市ガス普及状況

近畿地方は、大阪ガスの供給区域が圧倒的に広く、都市ガスの需要家数が多い地域です。特に大阪市・堺市・神戸市・京都市は、全国的に見ても都市ガスの普及率が上がっています。
ただこれらの大都市でも、プロパンガスの物件が皆無ということではありません。数は少ないですが、プロパンガス供給物件があります。
近畿地方はプロパンガス利用率が高い
また近畿地方全体で見ると、大阪府は都市ガスの普及率が上がっていますが、その他の府県はプロパンガス利用率が低くありません。
多くの自治体では、プロパンガスと都市ガス物件が混在しているほか、都市ガスが全く供給されていない自治体も多数あります。
プロパンガス業界の競争が少ない
近畿地方は、プロパンガス需要家数は多いのですが、関東地方や中部地方と比べるとガス会社同士の競争が積極的には行われていないという特徴があります。そのためプロパンガス料金が、これらの地域よりもやや高めとなっています。

この記事をご覧になっているのは、都市ガスとプロパンガスが混在している地域にお住まい、またはお引越し予定の方が多いかと思います。

プロパンガス物件は家賃が低め
賃貸住宅の場合、プロパンガス供給物件は、都市ガスの物件よりも家賃が安い傾向にありますが、ガス代は割高になる可能性が高いため注意が必要です。

特にプロパンガス供給の集合住宅は、ガス会社を選ぶことができません。入居者自身の意思により安いガス会社へ変えるという選択ができないため、引越しの方は十分に注意しましょう。

尚、地域の都市ガス一般ガス導管事業者がどこなのか知りたい方は、日本ガス協会のホームページをご確認ください。

関西地方のプロパンガスと都市ガス料金(まとめ)

ここまで関西(近畿)地方のプロパンガスと都市ガスの料金比較について解説しました。

結論としては、「ほとんどの場合では、料金は都市ガスの方が安い」ということができます。

プロパンガスと都市ガスの決定的な違い
両者の決定的な違いは、
  • 都市ガスの料金は確定している
  • プロパンガスの料金は確定していない
という点です。

都市ガス料金は、すべての顧客に対して同じです。対してプロパンガスの料金は、個々の顧客によって料金が変わります。(プロパンガスでも一部の事業者や物件によっては、料金が統一、確定していることもあります。)

従って都市ガスの方が安い傾向にあるとはいえ、差額に関してはその物件によって変わることになるのです。

小型集合住宅のプロパンガス料金は高い
特にアパートなど小型の集合住宅へお引っ越しを考えている方は、プロパンガス料金が高めに設定される傾向がありますのでご注意ください。ただ大型の集合住宅の場合には、非常に安く設定されている物件もあります。

一方で戸建住宅の場合には、プロパンガス業界の競争が激しいため、そこまで差額は大きくない傾向にあります。

戸建住宅にお住まいの方であれば、都市ガスと同水準にすることも不可能ではありません。
一戸建てにお住まいで、プロパンガスから都市ガスへの切り替えを検討している方は、一度プロパンガス会社の変更を考えてみてはいかがでしょうか。

現在、日本国内では、総合的に一般家庭でのプロパンガスの利用者数は減少しており、都市ガスは増加しています。

都市ガスの方は料金が平等で安心できる。一方でプロパンガスは、料金が高い上にいくらで設定されるかわからない。こう考えると人気に差がでるのは当然と言えるかもしれません。

以上、プロパンガスと都市ガスの料金比較をしたい方の参考になれば幸いです。