
プロパンガス会社と新たに契約する際、保証金の支払いを求められることがあります。
名目は、保証金や預り金・預け金・補償金など事業者によって異なるかもしれません。
保証金は、徴収していないガス会社も少なからずあります。すべてのガス会社が保証金を求めるということではなく、各事業者の方針によって決めている制度です。
このページでは、プロパンガス契約時の保証金について解説しています。
目次
なぜ保証金を求められるのか

プロパンガス事業者が契約時に保証金を求めるのは、ガス代未納などのトラブルに備えるためです。
プロパンガスに限らず、都市ガス・電気・インターネットなどライフラインのサービスは、毎月支払いが発生します。
消費者の中には、これらの代金を支払うのが難しく、滞納してしまう方が一定の割合でいらっしゃいます。
保証金は、主にガス代の未納などの料金トラブルの際に備えて求められるお金なのです。
電気やインターネットに関しては、保証金を徴収する事業者はあまり聞きませんが、ガスに関しては、開栓時に保証金を求めることが一般的です。
ただし保証金は、法令で「徴収しなければならない」「徴収してはいけない」などと定められてはいないので、「徴収するかどうか」「どのような時に使用するのか」は事業者の判断によります。
都市ガスでも保証金制度はある
保証金制度に関しては、プロパンガスだけでなく都市ガスでも採用している企業があります。
こちらも同様に事業者によって徴収していないこともありますが、引越し先のガス会社によっては求められる可能性があるでしょう。
保証金は、必ずしもプロパンガス会社だけの決まりではありません。
保証金はいつ使われるのか

どのような時に保証金が使われるのかについては、事業者によって様々です。
ただ一般的には、「ガス代を未納のまま、転居してしまった際」に保証金で賄うために求めています。
ガス会社としては、料金を滞納した顧客がそのまま転出(引越し)してしまって、ガス代が回収できなくなってしまうことを避けたいのです。
例えば、「転居ではなく普通にガス代を滞納してしまって、ガスが止められてしまいそう」という場合であっても、保証金から補填されることは通常ありません。
あくまでも「滞納したまま転居(解約)されてしまう際の備え」とするのが一般的です。
具体的にどのような際に保証金が使われるのか正確に知りたい方は、契約中または契約予定のガス会社に尋ねてみましょう。
保証金を求められる物件

保証金が求められるのは、必ずしもすべてのお宅においてではありません。
ガス会社の方針によっても異なるのですが、持ち家のお宅では求められないことが一般的です。
賃貸物件では預り金を求められることが多い
上述した保証金により補填されるケース「ガス代を滞納したままの退去」は、ほとんどが賃貸物件の顧客が起こす事例です。
戸建住宅で持ち家の方であれば、ガス代の滞納も少ない上、さらにそのまま引越してしまうということは、ほとんどありません。
プロパンガス事業者が保証金を求めるのは、主に賃貸物件に入居した方に対してです。
他社からの切り替えでは求められない
「新たに引越してきて入居する方」ではなく、「他社から変更してそのガス会社と新たに契約する方」に対しては、保証金を求めないことが一般的です。
これは戸建住宅でも集合住宅でも同様です。
他社から切り替えた顧客に対して保証金を求めてしまうと、トラブルに発展してしまう可能性があるため、徴収しない事業者が多いでしょう。ただしこちらも絶対ではありませんのでご注意ください。
保証金はいくら

実際に預かる保証金がいくらなのかも、事業者の方針により異なります。
一般的には、1~2万円が相場であると考えられます。
地域によって差異がありますが、「ガス代の二か月分」程度を目安にしている事業者が多いかと思います。ガス代を滞納してガスを強制的に止める(閉栓)までの期間を基準にすることが通常です。
つまり「ガス代の滞納からガス止めまでの期間の料金」が「回収できずに引越されてしまう可能性がある料金」になるので、その期間の平均的なガス料金分を預り金としている企業が多いと考えられます。
尚、プロパンガス会社と新たに契約する際に預り金があったとして、その他に開栓手数料などの費用がかかるということは、通常ありません。


保証金に関するアンケート
プロパンガス会社と契約中の方は、よろしければアンケートにご協力ください。統計データとして利用させていただきます。
いつ預けるのか
保証金は、開栓と同時に現金で支払う(預ける)のが一般的です。
プロパンガスの開栓時には、作業と同時に設備の点検が行われて、その際に保証金を預けるという流れになります。
通常のガス会社であれば、開栓予約の電話をした際に「保証金として〇〇円お預かりしますので、ご用意ください。」というアナウンスがあるはずです。
開栓時に突然「保証金として〇〇円払ってください」と言われても、準備していないこともありますし怪しまれてしまうかもしれません。
何らかの理由で開栓時に支払いができなかった場合には、その後適宜支払いを求められることになります。
預り証をもらいましょう
当然ながら、保証金を預けた際にガス会社から「〇〇円を保証金として預かりました」という受領証が手渡されます。
預り証は、退去する時まで失くさないように保管しておきましょう。
万が一「保証金を預かった証明書」をもらえないようでしたら、預けた証明ができなくなってしまいますので現金で渡してはいけません。
稀に「保証金が返ってこない」というトラブルがあるようです。預り証を持っていれば金銭を預けたことの証明になりますので、必ず受け取って大切に保管してください。
もしも預り証を失くしてしまった際には、発覚した時点ですぐに契約中のガス会社に連絡しておきましょう。
保証金が払えない

もしも「手元の現金がない」など預り金を支払うことが難しい場合には、その旨を担当者に説明しましょう。
通常であれば、預り金の後払い方法を教えてくれるはずです。
後払いするのではなく「ずっと保証金を払わない」という行為はお勧めできません。
事業者によりますが、最悪の場合にはガスを止めてしまうこともあるようです。
保証金は、問題なくガスを使用して支払いを続けていれば、後で返ってくるものです。金銭を預けることに納得がいかないという方がいるかもしれませんが、預けておくことをお勧めいたします。
尚、当社では戸建住宅にお住まいの方に、ガス会社を変更して料金を安くすることをお勧めしています。よろしければご検討ください。


保証金はいつ返ってくるのか

保証金は、解約(閉栓)時に返金されるのが通常です。
受領証を持っていれば閉栓作業の際に現金で返金、受領証を失くしてしまったという場合には振込などの対応もあるようですが、事業者により異なります。
保証金が返金されるのは、「引越しする時」ではなく「解約する時」になるのが通常です。
つまり引越しではなく、他社に変更することで返金されることもあるのです。
戸建住宅にお住まいの方であればご自身の意思のこともありますが、集合住宅でオーナーの意思で他社に切り替える際にも、解約となるので保証金が返金されます。