プロパンガス供給物件の管理会社様
2024年7月の省令改正料金に対する入居者の口コミ大型物件のLPガス料金

この記事では、プロパンガス物件を管理または所有している不動産会社に向けた情報を記載しています。

プロパンガスが供給されている集合物件の管理会社様、入居者の方から「ガス代を安くできないか」という要望を受けたことはありませんか?

集合住宅のプロパンガス料金は、戸建住宅よりも高く設定される傾向にあります。

当社はプロパンガスの代理店という立場から、事業者を変更することによるメリットや、料金が高いことへの対策方法などを記載しています。

ガス会社変更のご相談も承っていますので、ご興味お持ちいただけましたらお問い合わせください。

集合物件のプロパンガス料金は高い

入居者のプロパンガス料金をチェックする
入居者はガス料金が高いと困っているかもしれない

プロパンガスの料金は、法律による規制がなくガス会社が自由に決めることができます。

適用される料金は、物件により様々ですが法外に高い料金を強いられている事例も少なくありません。

不満を感じている入居者は多い
当社が過去にいただいた相談では、集合住宅にお住まいの方から「ガス代が高すぎる」「プロパンガス会社を変更したい」「都市ガスに変更できないのか」という声を多く受けております。
管理会社に連絡がなかったとしても、潜在的に「ガス代が高い」と不満に感じている方は少なくないでしょう。

相談いただいた中には、「家に風呂があるけど、ガス代が高いから契約せずに近くの銭湯へ行っている」という方もいらっしゃいました。ガス代が高くて生活に困っている方からの声を多数いただいています。

一般的なアパートやマンションでは、入居者の意思でプロパンガス会社を選ぶことができません。入居者は、料金に関する不満を自身の意思だけで解決することが難しいのです。

集合住宅入居者からガス代に対する口コミ

集合住宅のプロパンガスは、「一棟ごとの契約」となるため事業者変更が起こりにくく、不当に料金を上げるケースが目立っています。

賃貸物件の入居者にとってガス料金に関する不満は、対策を考えるのが難しく溜まりやすいのです。

LPガスに関する入居者からの口コミ
実際にプロパンガス供給の集合住宅入居者からの口コミをまとめています。居住者の生の声を記載していますのでご覧ください。
Inquiry
Webform

プロパンガス料金を下げる方法

建物の管理会社ができるプロパンガス料金を下げる方法として、2点挙げられます。

  • 供給中のガス会社と料金交渉する
  • ガス会社を他社へ変更する

供給中のガス会社と料金交渉する

供給しているプロパンガス会社と料金交渉する
プロパンガスは公共サービスではない

プロパンガス料金は、ガス会社の意思によって高くも安くもなります。

この特徴があることから、プロパンガス料金には多くの場合、交渉する余地が存在しています。

値下げ交渉が有効なことも多い
集合住宅のプロパンガス料金は、適正範囲内の料金設定に抑えられている物件は多くありません。必要以上に高いプランを強いられていることが多く、交渉が有効なのです。
このような物件では、オーナーや管理会社が「ガス代を下げることができないか」とひと声かけるだけで値下げできることもあるでしょう。

あまりにも高い料金設定を行う事業者は、切り替えてしまうことをお勧めしておりますが、交渉することも一つの手段です。

事業者を変更してLPガス料金を下げる

プロパンガス会社を変更する
ガス会社を変更してガス代を安くする

入居者が負担するガス代を安くするために最も有効な対策は、プロパンガス会社を変更することです。

ガス会社の変更が効果的
事業者を切り替えることによって、ほぼすべてのケースで従量単価を下げることができます。
長年にわたり料金交渉や事業者の切り替えを行っていない建物では、その傾向が顕著です。
中には、1㎥あたりの単価が800円を超えている物件も少なくありません。⇒集合住宅入居者の口コミ

日頃から管理会社の方が、ひと部屋毎のガス料金を把握することは難しいかもしれません。

賃貸物件の多くは「必要以上に高く設定されている」ことから、他社と比較検討することはとても有意義なのです。

プロパンガス会社の乗り換えは、建物の所有者の承諾さえあれば実施することができます。

当社では、ガス会社変更の相談を無料で承っています。「ガス会社を切り替えたら料金はいくらになるのか?」見積もり依頼は、気軽にご相談ください。

Inquiry
Webform

LPガス料金を安く抑えるメリット

ガス代が安くなることで、直接的に恩恵を受けるのは入居者です。

ただオーナーや管理会社も、ガス料金が安くなることで間接的にメリットがあります。

ガス会社の見直しは、とても有効になり得ることで絶対に損にはなりません。

既存入居者の満足度が上がる・退去率が下がる

既存の入居者はもちろん、ガス代が安くなれば嬉しいでしょう。入居者の満足度を上げることができます。

またガス代が高いことに不満を感じていた居住者からの信頼も回復できるでしょう。

一人暮らしの方など、金銭に余裕がない方にとっては、基本料金を安くできるだけでも大きな違いです。

小型集合住宅では基本料金も高め
アパートの基本料金は、高めに設定される傾向がある上、保証金を求められる可能性が高いなど不利な状況にあるのがプロパンガス業界の現状です。

新たな入居者に安い料金を提示できる

新しい入居者を募集する際にも、ガス料金が安いことは有利に働きます。

2024年7月にLPガスに関する省令が改正され、集合住宅へ入居する方に対して、事前に適用される料金を伝えることが求められるようになりました。⇒2024年7月の省令改正の解説へ

適用されるガス料金があまりに高い場合には、消費者が入居前に契約を断ることができるようになったのです。

適正価格の金額を提示できれば、入居率の向上が期待できます。当然ながら入居後に「ガス料金が高い」とクレームになる可能性も低くなるでしょう。

入居者の満足度が上がる
ガス代が安くなることは、入居者募集に際してプラス材料になることは間違いないでしょう。入居率を上げる、また退去率を下げることに対して一助になることが期待できます。

大型集合住宅のプロパンガス料金

分譲マンションはプロパンガス料金を安くできる
分譲マンションはプロパンガス単価が安い

集合住宅のプロパンガス料金は、高めに設定される傾向にあることを上述しました。

ただこれは、アパートなど小型の集合住宅に関してであり、ファミリー用の分譲マンションなど大型の集合住宅では、必ずしもその限りではありません。

大型集合住宅の特別料金
分譲マンションでは、戸建住宅と同等またはそれ以下の料金設定ができることもあります。
なぜならプロパンガス事業者にとってファミリー世帯の集合住宅は、良質な顧客を囲い込むことができるため、とても重要視されているからです。

詳しくは、専用ページで解説していますが、大型の集合住宅では特別料金を適用できる物件もあります。都市ガスよりも安い金額を提案できることも少なくありません。

大型物件を管理している不動産会社様は一度、各部屋のガス料金を確認されることをお勧めいたします。

Inquiry
Webform

LPガス会社を変更する際の初期費用

集合住宅でLPガス会社を切り替える時に、費用はかかるのでしょうか?

一般的なケースでは、すべての作業がサービスの範囲に含まれるため無料で切り替えができます。

ただし2024年7月の省令改正により、ガス会社が多大な費用を負担することが難しくなりました。それに伴い例外的に費用が発生するケースもあり得ます。

入居者の費用負担は0円

ガス会社を変更する際、居住者に対して費用が発生することはありません。

例えば工事費用や契約事務手数料などの初期費用は、プロパンガスでは必要ないのです。

入居者の費用負担は0円でガス会社を切り替えることができます。

物件オーナーの費用負担は通常0円

物件オーナーが負担する初期費用も通常は無料です。

切替先のガス会社からオーナーに対して請求する費用はありません。

ただ現供給会社とオーナーが長期契約を結んでいるなど特殊なケースでは、費用負担が発生する可能性があります。

違約金は肩代わりは難しくなった

2024年7月2日以降は、省令改正により長期契約の締結自体が禁止されました。つまり新たに結ぶ契約では、解約に伴い違約金が発生することはないのです。

ただ省令改正以前にガス会社と長期契約を結んでいる場合には、違約金を支払わなければなりません。

変更先ガス会社の違約金負担
かつては、変更先のガス会社が違約金を肩代わりできたのですが、省令改正によりそれが難しくなりました。
事業者がオーナーと長期契約を結んで、他社への切り替えを制限することが禁止されたのです。ガス会社側としては、早期解約されてしまうリスクがあるため、多額の費用負担ができなくなっています。

違約金が発生する場合、基本的にはオーナー負担となります。ただし金額が少ない場合には、切り替え先のガス会社が負担できる可能性はあります。

物件規模やガス会社の方針により対応は異なります。個別の対応となりますので、詳しくはお問い合わせください。

バルク設備の交換費用

プロパンガス供給の物件はボンベかバルクがある

大型の集合住宅では、ボンベではなく「バルク」と呼ばれる大きなタンクから供給されている物件もあります。

この場合、切り替え先の事業者が「既存のバルク設備を買い取る」か「バルクを新設する」どちらかの対応が必要です。費用が高額になる場合には、対応が難しい可能性があります。

違約金負担と考え方は同じです。長期契約を結ぶことが禁止されたため、ガス会社側としては「すぐに解約されてしまうリスク」を考慮しなければならないのです。

こちらも同様に事業者の方針により対応が異なりますので、お問い合わせください。

LPガス会社切り替えの相談をする

当社では、ガス会社変更のご相談を承っています。

「入居者のガス料金を安く抑えたい」などガス会社の変更を検討する際には、気軽に調査をご依頼ください。

見積もりに必要な事項
  • 物件の住所
  • 供給中のガス会社名
  • 物件の規模や間取り、築年数などの詳細
  • 長期契約中の場合は、残存期間など契約の内容
  • ガス料金を下げたいご要望の際は、現在の料金

お問い合わせいただいた際には、以上の事項を伺った上で調査を開始いたします。 調査や見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

Inquiry
Webform

LPガス会社切り替えの手順

LPガス代が安くなる
プロパンガス会社の切り替えは簡単

LPガス会社を変更する際、ボンベやメーター・調整器など屋外に設置してある「供給設備」を新会社のものへ交換します。

これら供給設備は、「ガス会社の持ち物」になるので、切り替えに伴い取り替えなければなりません。

供給設備の交換作業
ボンベは、大規模な集合住宅では、専用のボンベ庫に10本以上設置することも珍しくありません。メーターも1部屋につき一つ設置されますので、数が多いほど交換に時間が必要です。
アパートなど小規模な集合住宅では数時間程度ですが、分譲マンションなど大型集合住宅では丸一日を費やして交換作業を行います。

ガスの質は会社を変更しても同じ

プロパンガスの成分は統一されている
プロパンガスの成分は統一されている

プロパンガスは、「プロパン」と「ブタン」を主成分としています。

プロパンガスの「質」
LPガスに含まれる成分の割合は、法律で定められています。「商品の質」としては、どの事業者と契約したとしても「同じ」です。
参照:プロパンガスの解説

商品自体が同一であるため、料金やその他の付随するサービスで「違いをだす」ことになるのです。

商品の質が同じという意味でいうと、電力やガソリンなども同様です。

ガス会社を切り替えたとしても同じ商品ですので、給湯器やコンロなどのガス機器(消費設備)は、そのまま使用できます。

ガスが使えなくなる時間
ボンベやメーターの切り替え作業中は、一時的にガスが使用できなくなります。
集合住宅では、切替工事に数時間かかります。具体的に必要な時間は、物件の規模や状態によって異なります。
ガス会社は、事前に工事日と作業時間帯を通達するなどして、入居者に不便をかけないよう配慮して交換を進めます。

各入居者へガス会社が変わる旨を説明

各部屋への通知はすべてガス会社が行う
各部屋への通知はすべてガス会社が行う

プロパンガス会社を変更する際、居住者にお願いする点としては

  • 供給契約書の記入
  • お支払い方法の登録
  • ガスが使用できない時間帯の注意
  • 供給開始時点検の立ち合い

が挙げられます。

物件所有者から正式な契約書をいただいた後に、各戸へこれらをお知らせいたします。

お知らせはガス会社が行う
供給するガス会社が変わる旨、ガス料金が安くなる旨、使用できない時間帯があるご注意など、お住まいの方への諸々の説明は、切り替え先ガス会社が行います。
手紙を投函する形が一般的ですが、必要に応じて訪問するなど物件により流れは様々です。
切り替え後の供給開始時点検
LPガス会社には、供給開始時に安全点検を行うことが法律で義務付けられています。他社からの切り替え時も同様に、点検しなければなりません。
ガス器具を点検するため宅内に入りますので、居住者の立ち合いが必要となります。
従って大型物件の切り替え工事は、在宅率が高い週末に行われることが一般的です。
参照:供給開始時点検の解説
Inquiry
Webform

2024年7月の省令改正による変更点

これまでプロパンガス会社から物件オーナーや管理会社などに対して、設備貸与や配管貸付・謝礼金の支払いなどの利益供与をすることが一般的なサービスとして行われてきました。

ただ同時に「集合住宅入居者のガス料金が高い」ことが問題視されはじめ、経済産業省でワーキンググループが開かれるなど対策が話し合われてきました。

2024年7月に法令が大幅に変わった
そして2024年7月2日に「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」が施行されました。

この省令改正により、プロパンガス業界のサービス内容が大きく変わっています。

以下、不動産管理会社に関連する事項を、改正ガイドラインに沿って解説します。⇒経済産業省(PDFファイル):改正ガイドライン

物件所有者に対する利益供与がほぼ禁止

最も重要な変更点が、給湯器などの費用をガス会社が負担する設備投資が難しくなったことです。

ガイドラインでは、「賃貸集合住宅等のオーナーや消費者等に対する過大な営業行為の制限」、「正常な商慣習を超えた利益供与の制限」という見出しがあります。

オーナーに対する利益供与(過大な営業行為)が制限されたのです。

利益供与の例
具体的には、このような行為が「問題あり」としています。
  • 設備の無償貸与やフリーメンテナンス
  • 謝礼金やガス料金に対するキックバックなど、何らかの形で金銭を支払うこと

「正当な理由があれば可能」という記載もありますが、実質的にほぼ禁止されたと捉えられます。

管理会社へ謝礼金の支払いができない

2024年7月以前まで、ガス会社から謝礼金を受け取っていたり、物件を所有する企業であれば設備投資を受けていたこともあるかと思います。

省令改正以後は、設備投資や謝礼金に代表される利益供与が難しくなりました。

物件を所有している不動産会社様
物件オーナーに対する利益供与については、オーナー向けページで詳しく解説しています。
建物を所有している不動産会社様は、あわせてご覧ください。
オーナー特典とガス料金

入居希望者に対する料金等の情報提供

賃貸集合住宅等においては、その構造上、入居者たる消費者は、オーナーや不動産管理会社等が選定したLPガス事業者としか契約できないという制約がある。
このため、LPガス事業者は、消費者がLPガス料金等の情報を知った上で入居することができるよう、以下の事項に取り組み、当該不動産関係者から適切に情報提供されるようにする必要がある。

液石法施行規則第16条第15号の2

集合住宅の入居者に対して、適用されるプロパンガス料金を伝えるよう求めています。

そもそも省令改正に至った理由は「集合住宅のLPガス料金の高さと不透明さ」を是正するためです。

これまでのLPガス物件の入居者
  • ガス会社は選べない
  • 入居してみなければ適用されるガス料金がわからない
  • 実際に入居してみたらガス代がとても高かったけど、ガス会社は変えられない
賃借人の立場で考えると、不満を抱くのは当然でしょう。
ガス会社側への要求
  • 日頃から、当該住宅のLPガス料金表等の情報を不動産関係者に提供すること
  • 不動産関係者に情報提供した料金に変更が生じた場合は、遅滞なく変更後のLPガス料金表を再度提供すること
  • 不動産関係者から情報提供した料金について問い合わせがあった場合は、適切かつ迅速に対応すること
事業者に対しては、料金などの情報を開示することを求めています。

不動産管理会社には、ガス会社から受け取った情報を入居希望者に対して、正しく提供することが求められます。

入居希望者は事前に料金を知ることができる

省令改正によりプロパンガス供給の集合住宅へ新たに入居する方は、事前にその建物で適用される料金を知ることができるようになりました。

事前に料金を把握することで「ガス代が高いからこの物件は見送る」「適正の範囲内だからこの物件に決める」など、判断ができるようになったのです。

問題となっていたのは「入居した後で想定外にプロパンガス料金が高かった」ことですので、未然に防ぐ対策が取られています。

長期契約締結の禁止

LPガス事業者は、賃貸集合住宅等のオーナー等又は戸建住宅の消費者との間で、消費者によるLPガス事業者の変更を制限するような条件を付した契約を締結してはならない

液石法施行規則第16条第15号の5及び第15号の6

省令改正以前は、プロパンガス事業者から所有者に対して利益供与を行い、その対価として長期契約を結び事業者の切り替えを制限することが通常でした。

2024年7月以降は、「ガス会社の変更を制限するような契約が禁止」すなわち長期契約など違約金を設定した契約を新たに結ぶことが明確に禁止されました。

事業者を変える理由は料金を抑える目的に

利益供与ができなくなったことで、オーナーや管理会社が「なにかサービスを受けたいから」ガス会社を変えることがなくなりました。

「入居者のガス代を下げること」が事業者を変える主な理由になったのです。

料金以外に保安管理などのサービス面の理由で切り替えを検討する管理会社様もいらっしゃいます。

当社では、ガス会社切り替えの相談を無料で承っています。「事業者を変えた場合の料金を知りたい」など、何らかの理由で変更を検討している管理会社様は、ぜひお問い合わせください。

Inquiry
Webform

土勢育孝

どせ やすたか

執筆者

このページの記事は、私が執筆しました。
プロパンガス関連業務に10年以上携わっております。
これまで、多くの管理会社様からプロパンガスに関するご相談をいただいています。物件に合わせた提案をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
お電話でご相談いただく際には、私をお呼び出しください。

記事執筆者