
このウェブサイトでは、プロパンガス会社を変更してガス代を安くすることをお勧めしています。
ご相談いただいた方から、もっとも多くいただく質問の一つがこちら、「乗り換え後の料金変動について」です。
安い料金を提示されて乗り換えたとしても「すぐに値上げされるようなことになってしまうのでは」と、心配している方が多いかと思います。
このページでは、プロパンガス事業者と契約したあとに、「料金がどのように変わるのか」と「値上げ通知」について解説しています。
目次
プロパンガス料金は法令により制限されていない

まず前提として、以下のことをご理解ください。
- プロパンガスは自由料金で、法令で金額が制限されていない
- プロパンガス事業者は国内に1万7千社近くあり、各社様々な方針で料金を決めている
参照ページ:プロパンガス料金表
プロパンガス料金は、事業者が何にも縛られず自由に決めることができます。
従って契約締結時の料金はもちろん、その後の変動についても、それぞれの会社が独自に判断することになります。
つまりプロパンガス料金は、それぞれの事業者がそれぞれの状況に応じて、その都度料金を使い分けているのです。
必ずしも「同じガス会社だから、全戸統一の料金で提供している」「値上げなどの料金変動もすべての顧客に対して平等に適用している」のではありません。
料金変動は各社の方針で異なる

上述した通りプロパンガス料金は事業者が自由に設定できるので、契約した後の変動については「各社の方針による」というのが結論になります。
消費者が契約後の料金値上げについて尋ねた際、多くのガス会社は「社会情勢等を考慮し、仕方のない場合には値上げします。明確な値上げしない期間については、お約束ができかねてしまいます。」というような回答になるでしょう。
ガス会社側としては、料金変動の基準を明確にすることが難しいのです。
ただ、例えば「契約した後、すぐに値上げされてしまっては、切り替えた意味がない」と考える消費者の方も当然いらっしゃるでしょう。
事業者によっては、「1年間は料金を据え置く」など期間を明確にして、料金を値上げしないことを約束していることもあります。
またこちらもよくいただく質問ですが、据え置き期間が終了した途端、急激に値上げするというようなことは絶対にありません。
当社は、プロパンガス取次事業者として10年以上活動しております。ガス会社を切り替えたお客様にとってマイナスになるような提案はいたしませんのでご安心ください。
書面で値上げしないことを約束するのは難しい

プロパンガスは、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。
参照ページ:プロパンガスの解説
中東諸国など、LPガス輸出国の情勢が不安定になるなどして、輸入価格が高騰した場合などは値上げせざるを得ない状況もあり得ます。
そのような状況では、どの事業者でも値上げを実施することになるでしょう。
お客様から「値上げしないことを契約書に記載することはできないのか」という要望をいただくことがあります。
プロパンガス事業者は、一般的に「いつどのように輸入価格が変動するかわからない」という事情があるため、書面で値上げしない約束を交わすことは、少なくとも個人宅においては難しくなってしまいます。
原料費調整制度を採用している事業者

電力に「燃料費調整制度」、都市ガスには「原料費調整制度」という仕組みがあることをご存知でしょうか。
これは原料の輸入価格に連動する形で、毎月の販売単価を上下する制度です。この制度を採用することにより、輸入価格を柔軟に料金に反映することが可能になり、料金の透明性を増すことができるのです。
プロパンガス事業者の中にも、原料費調整制度を採用している企業が少なからずあります。
そのような事業者の場合、料金の据え置きをしない代わりに、プロパンガスの仕入れ価格の変動に応じて、お客様への販売価格を上下させるため、不透明な値上げというものがありません。
単価が上がる月があったとしても、輸入価格が安くなれば必ず値下げされます。
原料費調整制度とは
原料費調整制度を採用しているガス会社の場合、「基準となる単価」が設定されており、その単価を基準として毎月調整を行っています。
電力や都市ガスの料金がよほどのことがない限り値上げされることがないのと同じように、基準となる単価が変動することは基本的にありません。
従って消費者としては、「理不尽な値上げ」を恐れることなく、安心して利用することができるというメリットがあるのです。
この場合、「新規で契約したばかりだから安い」ということがありません。契約したばかりのお宅と、長年契約しているお宅の料金は同一となるのです。
全戸統一プランを採用している事業者の料金設定は、必ずしも安いとは言えないかもしれません。ただ少なくとも透明化していると同時に、「各戸で料金が異なる」という不公平感がなくなります。
料金が高いか安いかという問題は別として、顧客としては「安定した料金で、安心して利用することができる」という大きなメリットがあるのです。
「最安値でなくても良いから安心してガスを利用したい」という方にはお勧めです。
参照ページ:固定単価と原料費調整制度
以上のように、契約した後の料金方針は各社によって大きく異なります。お客様のお住いによってもご案内可能なガス会社が異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
プロパンガス料金の値上げ
戸建住宅にお住まいの方が他社に切り替えた場合、安く設定されている新規の料金が適用されることになります。
基本的にプロパンガス料金は変動しますので、新規の単価が永続的に続くということはありません。
必ずいつかは値上げされることになるでしょう。
値上げすることを通知しなければならない

プロパンガス事業者が顧客に対して基本料金や1㎥あたりの単価を値上げする際には、必ず事前に通知することが義務付けられています。
一般消費者等に対して液化石油ガスの供給に係る料金その他の一般消費者等の負担となるものを請求するときは、その料金その他の一般消費者等の負担となるものの算定根拠を通知すること。
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則 第十六条(販売の方法の基準)十五の二
液石法の施行規則では、このように定められています。
つまりプロパンガス事業者が顧客に対して値上げを実施する時、「値上げする金額」と「値上げをする根拠」を顧客に対して知らせることが義務付けられているのです。
勝手に値上げする事業者がいたとしたら、それは法令に違反する行為になってしまいます。
一般消費者等に算定根拠を通知する方法については、原則として請求書等の書
液石法施行規則の運用及び解釈について(平成 09・03・17 資庁第1号)より抜粋
面に記載して通知することとするが、一般消費者等が書面以外の方法により通知するこ
とを承諾した場合には、当該承諾した方法(口頭による通知は除く)により通知するこ
ととする。
施行規則の解釈についてもこのように定められています。
事業者が値上げ通知をする際には、原則としては書面での通知としています。多くのケースでは、請求書に「〇〇の理由により〇月から〇〇円の値上げを行います。」のように記載されることになります。
無いとは思いますが、「口頭で来月から値上げします」というお知らせや、値上げ額や理由の記載がない通知は法令違反に問われてしまいます。
アプリでの通知も
近年では、紙の請求書を有料化してスマホアプリによる通知に移行している事業者も多くあります。
顧客がスマホアプリを登録している場合には、同意事項欄に「アプリでの通知に承諾する旨」が記載されているはずです。
そのような場合には、紙ではなくアプリで値上げが通知されることになるでしょう。
よくいただくご相談で
- アプリのIDやパスワードを忘れてしまってログインできない
- 使い方がわからなくて見ていない
という方がいらっしゃいます。
このようなお宅では、知らない間に値上げ通知が来ていて、いつの間にか単価が上がっている可能性があるので要注意です。契約中のガス会社に問い合わせて、ログイン方法など不明な所を確認しましょう。
値上げに対する対処
契約中のガス会社から値上げのお知らせがあった際、どのような対応をすれば適切なのでしょうか。
様々な状況があるので絶対にとは言えないのですが、個人的にお勧めしているのは、以下の2つです。
- 契約中のガス会社と料金交渉をする
- ガス会社の変更を検討する
このどちらかの行動をすることにより、プロパンガス料金は適正に保つことができると考えられます。
料金を安くする方法については、別のページで詳しく解説しています。
参照ページ:プロパンガス料金を節約する
大切なのは、料金を放置しないことです。
事業者によっては、一年のうちに複数回値上げすることも考えられます。お住まいのガス料金が適正の範囲に収められているのか、心がけることをお勧めいたします。