中部地方のプロパンガスと都市ガス料金を比較

プロパンガスと都市ガスでは、どのくらい料金が違うのでしょうか?

このページでは、中部地方のプロパンガスと都市ガスの料金を比較した結果を掲載しています。お引っ越しや切り替えなどでプロパンガスと都市ガスの料金を比べたい方は、ぜひご参照ください。

ここで掲載している内容は、プロパンガスと都市ガスの料金比較に記載した情報を前提としています。ご覧になっていない方は、あわせてご確認ください。

中部地方のプロパンガスと都市ガスの料金差額

2023年11月調査・単位:円・税込み・小数点以下切り捨て
ガス会社名都市ガス11㎥・プロパン5㎥の請求額都市ガス22㎥・プロパン10㎥の請求額都市ガス44㎥・プロパン20㎥の請求額
都市ガス料金東邦ガス295350658542
金沢エナジー3483620411494
日本海ガス3886617810763
プロパンガス
標準料金
東邦液化ガス5885962516885
サーラE&L65171050518480
エネアーク中部5665885514905
プロパンガス中部地方平均料金5503892215437
プロパンガス最安値料金3850594010120

原料費調整制度を採用・公表している会社は、調整後の料金で計算しています。

比較に際しての注意

プロパンガスは都市ガスよりも熱量が2.2倍多い
同じ作業をする際、プロパンガスの方が使用量が少ない

プロパンガスと都市ガスでは、熱量が異なります。

詳しくはこちらのページで解説していますが、プロパンガスの方が熱量は約2.2倍多いのです。

従って使用量は、

  • プロパンガス5㎥に対して都市ガス11㎥
  • プロパンガス10㎥に対して都市ガス22㎥
  • プロパンガス20㎥に対して都市ガス44㎥

この3パターンで比較しています。

尚、ここでの中部地方は、石油情報センターの中部局の区分に基づいています。具体的には、以下の県です。クリックしていただくと、各地域のプロパンガス料金表ページに遷移します。

愛知県岐阜県三重県
石川県富山県

都市ガスの方がプロパンガスよりも料金が安いとは限らない

料金表を見ると、都市ガスの方が安いことが多いですが、逆もあることがおわかりいただけるかと思います。

特にプロパンガスの最安値価格と比べると、都市ガスよりもプロパンガスの方が安いという結果になっています。

このように料金を比べてみると、中部地方においては、都市ガスの方がプロパンガスよりも絶対に安いとは限らないといえるでしょう。

プロパンガスは、環境による料金差が大きいことを特徴としています。掲載している各社の標準料金は、あくまでも目安となる金額です。標準料金よりも安く利用できる可能性が十分にあります。

逆に最安値価格が適用されるとも限らないので注意が必要です。ただプロパンガスを安く利用できる環境であれば、都市ガスと同水準の料金になる可能性は十分にあるでしょう。

中部地方は、関東地方と同様にプロパンガス会社の競争が激しい地域です。そのためプロパンガス料金も安い傾向にあるため、このような結果になっていると考えられます。

ただし都市ガスの方は、割引プランではなく「一般料金」で計算しています。特定の機器を使用するお宅では、一般料金よりも安い単価が適用されます。

プロパンガスの方は、不定期で値上げの可能性があるサービスでもありますので、総合的に考えると都市ガスの方が安くて安心という認識になるでしょう。

  • 都市ガスは、都市部のみで使用できる地下の配管を通して供給する。
  • プロパンガスは、ボンベを個別で配送して供給する。

事業者にとって都市ガスは、整備するための初期費用が莫大にかかるというデメリットがありますが、その後の供給に関しては、少ない手間で供給できるという利点があります。

一方でプロパンガスは、初期投資は少額にできますが、定期的にボンベを交換する必要があるため、人件費を含めた配送コストがかかってしまいます。

このような理由のほか、下記に記載するような両者の料金体制の違いも影響して、プロパンガスは料金変動が激しく、徐々に高くなる傾向にあるのです。

尚、他地域の比較表をご覧になりたい方は、こちらからご確認ください。

関東地方関西地方中国地方
北海道東北地方四国
九州

都市ガスの料金は公平

都市ガスは同じ条件で料金プランが決まる
都市ガスは自宅だけ高くされるような心配がない

都市ガス料金の最大の特徴は、すべての顧客に対して平等であることです。

都市ガスは、かつて総括原価方式と呼ばれる規制料金制が採用されており、国によるチェックが入っていました。公共料金という位置付けであるため、「すべての顧客に対して公平であること」が必須条件として求められていたのです。

2017年に小売事業者が全面自由化されたことを受け、現在はほとんどの事業者が自由料金制へと移行していますが、すべての方に対して同じ条件で料金が決定されるという方針は変わっていません。

都市ガスでも、お住まいの地域や使用するガス機器により料金プランが違うこともあるのですが、それは「皆さん同じ条件」です。

一戸建てであろうと集合住宅であろうと関係ありません。一人暮らしでも家族住まいでも同じ条件で料金が決まります。

従って都市ガスの料金は、使用する地域やガス機器がわかれば引っ越し前でも計算することができるのです。

プロパンガスの料金は個々のお宅でバラバラ

LPガス料金はそれぞれのお宅で料金が異なる

プロパンガス料金は、以前から「自由料金制」です。その名のもとにプロパンガス料金は、顧客ごとに個別で料金が設定されることが一般的です。

つまり、ガス会社の一存で高くされることもあれば、安くできることもあるのです。

プロパンガス料金は、適用される料金が決まっていないというのが最大の特徴です。「株式会社〇〇ガスの料金は必ず〇〇円」と決まっている訳ではありませんのでくれぐれもご注意ください。

今回は、各社の「標準料金」を中心に比較していますが、必ずしもこの料金が適用されるとは限りません。同様に最安値価格が適用されるとも限らず、「それぞれのお宅で個別で見積もりが行われる」のです。

※標準料金とは、経済産業省からの指導により各社の一般的な料金をホームページなどで公開しているものです。必ず標準料金が適用されるとは限らないので注意が必要です。

また料金の値上げや値下げも頻繁に行われています。

プロパンガスは、戸建てか集合住宅かなど、環境によって適用される料金が大きく異なります。戸建てにお住まいの方であれば、当社でプロパンガス会社の切り替え案内を行うことが可能です。

プロパンガスの方が安いこともある

プロパンガスは特別料金ができることもある
プロパンガスは自由な料金対応ができる

プロパンガス料金は自由であるため、逆にとても安い料金が適用されることがあります。

例えば業務用でガス使用量がとても多い工場や分譲マンションなどでは、都市ガスよりも安い料金で提案されることも少なくありません。

多くのお宅では「都市ガスよりもプロパンガスの方が料金は高い」というのが事実ですが、必ずしもすべてのケースに当てはまるとは限りません。

プロパンガスと都市ガスは違うサービス

プロパンガスと都市ガスは様々な点で異なる
実際の料金はその場所で使ってみてからわかる

そもそもプロパンガスと都市ガスは、異なるサービスです。

成分が異なる上に使用するガス機器も違います。

それぞれ違うサービスを正確に比較することは不可能ですので、上記の料金一覧はあくまでも目安として参照していただければと思います。

実際のところは、使ってみなければわからないのです。

またこれからお引越しされる方で都市ガスとプロパンガス物件を比較している場合は、使用するガス機器などによって使用量が変わることにも注意するべきでしょう。

例えば新しい給湯器では、高効率でエネルギーを生み出すことができるため、ガスの使用量を抑えることができます。

従って「プロパンガスだから高い」「都市ガスだから安い」というだけでなく、使用する場所の環境によってガス料金は増減するということも覚えておいてください。

中部地方のプロパンガスと都市ガス普及状況

中部地方は、東邦ガスの供給区域が広い地域です。愛知県を中心として、岐阜県、三重県では東邦ガスが広域で都市ガスを供給しています。

名古屋市においては、都市ガスの普及率が圧倒的に高いという状況ですが、それ以外の都市では都市ガスとプロパンガスが混在しています。

また石川県と富山県では、都市ガスの供給区域が限定されており、多くの自治体ではプロパンガスのみが供給されている状況です。

この記事をご覧になっているのは、都市ガスとプロパンガスが混在している地域にお住まい、またはお引越し予定の方が多いかと思います。

賃貸住宅の場合、プロパンガス供給物件は、都市ガスの物件よりも家賃が安い傾向にありますが、ガス代は割高になる可能性が高いため注意が必要です。

特にプロパンガス供給の集合住宅は、ガス会社を選ぶことができません。入居者自身の意思により安いガス会社へ変えるという選択ができないため、引越しされる方は十分に注意しましょう。

尚、地域の都市ガス一般ガス導管事業者がどこなのか知りたい方は、日本ガス協会のホームページをご確認ください。

中部地方のプロパンガスと都市ガス料金(まとめ)

ここまで中部地方のプロパンガスと都市ガスの料金比較について解説しました。

結論としては、「都市ガスの方が総合的に考えると安くて安定していますが、環境によってはプロパンガスの方が安いこともある」といえます。

両者の決定的な違いは、

  • 都市ガスの料金は確定している
  • プロパンガスの料金は確定していない

という点です。

都市ガス料金は、すべての顧客に対して同じです。対してプロパンガスの料金は、個々のお宅によって料金が変わります。

従って都市ガスとプロパンガスの差額に関しては、その物件によって変わることになるのです。

特に賃貸の集合住宅へお引っ越しを考えている方は、プロパンガス料金が高めに設定される傾向がありますのでご注意ください。ただ分譲の集合住宅の場合には、非常に安く設定されている物件もあります。

一方で戸建て住宅の場合には、プロパンガス業界の競争が激しい影響もあるため、そこまで差額は大きくない傾向にあります。

以上、プロパンガスと都市ガスの料金比較をしたい方の参考になれば幸いです。