ソフトバンクは、LPガスメーターからのデータ取得や活用を目的とした、通信ボード(通称NCU、通信用の制御基盤)の開発に着手しました。
この通信基盤は次世代の通信方式「IoT」(通称モノのインターネット、あらゆる物がインターネットにつながる仕組み)に対応したもので、ガスメーターからの情報を最大限に生かすための装置です。
現在のガスメーターでは、専門用語で「Nライン」や「Uバス」「Uバスエア」といった、特殊な通信方式を用いていて、一般の一般的なIoT通信方式とは異なります。そのため、このLPガスメーターの通信方式に合わせた開発が必要となりますが、今回ソフトバンクが開発する基盤はその方式に対応したもので、LPガス業界のためのものということができます。

LPガス事業者やLPガスメーター製造事業者は、LPガスのメーターにこの基盤を内蔵させて顧客宅に設置することになります。
この基盤を使用することによって、ガス使用量をリアルタイムで知ることができるほか、メーター間で多段中継無線が可能になるなどの利点があります。
専門用語でややわかりづらいですが、事業者のメリットとしては
① 検針業務の合理化(無人化)
② ガス残量を正確に知ることで、ガス切れを防ぐ
③ 同じく、無駄なボンベ交換(中身がまだ残っているのに交換する)を防ぐ
④ 同じく、ボンベ配送の効率化
などのメリットが考えられます。

この装置が実現すれば、低コストで導入が見込めるため、事業者としては大幅なコスト削減を実現できるでしょう。

消費者としても、ガス切れを防ぐことができるほか、事業者のコストが減ることによって、ガス料金が安くなることも期待できます。
今のところ2018年度中の商用化を目指している段階で、このような仕組みができることによって、業界の料金体系が大きく変わる可能性もあります。今後の動向に皆さんも注目しましょう。