住宅供給公社のプロパンガス料金

このページでは、公社賃貸住宅と呼ばれる住宅供給公社が管理・運営している建物に供給されるプロパンガス(LPガス)について解説しています。

主に公社賃貸住宅のプロパンガス料金とガス会社の切り替えについて触れています。該当物件にお住まいでガス代を安く抑えたいと考えている方は、ご参照ください。

自治会長など建物を管理する立場の方だけでなく、一般にお住まいの方からのご相談も承っています。

プロパンガスの基本情報

住宅供給公社が管理する賃貸住宅は、比較的安価で高い人気があります。各地の住宅供給公社などで構成される全国住宅供給公社等連合会によると、地方住宅供給公社の総管理戸数は、110万戸を超えています。

都市部では都市ガスが導入されるのが通常ですが、地方ではプロパンガス供給の建物も多数あります。

まず前提となるプロパンガスについての基本情報を記載します。

「あわせてご覧ください」集合住宅関連ページ
  • アパートなど標準的な集合住宅⇒詳細
  • 70戸以上の超大型集合住宅⇒詳細
  • 公営住宅⇒詳細
  • 分譲マンション⇒詳細
  • UR賃貸住宅⇒詳細
  • 所有している物件を貸し出しているオーナー様⇒詳細
  • 集合住宅の管理会社様⇒詳細

集合住宅では一棟ごとの契約

集合住宅では建物でLPガス会社が決まっている
物理的に各戸でLPガス会社を選ぶことができない

集合住宅のプロパンガスは、ボンベから供給されるという特徴から建物でガス会社が決められています。

プロパンガスは一棟の契約
ガス会社を変更する際には、すべての部屋を同時に変更しなければなりません。ガス会社を変えてガス代を安くする場合、建物を管理する方の判断により変更することが決まります。

都市ガスや電力とは違い、それぞれの入居者が好きなプロパンガス会社を選ぶことはできないのです。

プロパンガスは自由料金制

プロパンガス料金は法令で規制されていない
高くするか安くするかはガス会社の自由

プロパンガスは、公共サービスではありません。

ガス会社が料金プランを決める際に行政の事前許可は必要なく、自由に決めることができます。都市ガスや電力のように「〇〇社の料金は、〇〇円」と統一されていないのです。

それぞれの物件で個別の見積もり
その物件に適用されるガス料金は、それぞれ個別で設定されます。同じガス会社の供給物件だとしても、適用される料金が同一とは限りません。
特に大型集合住宅の料金は、事業者の切り替えや交渉によって安くなる可能性を多分に含んでいます。

それ故に住宅供給公社の団地など大型集合住宅では、特別料金で安くすることも不可能ではないのです。

公社賃貸住宅ではLPガス料金を安くできる

ファミリマンションはプロパンガス会社にとって良顧客
分譲マンションはプロパンガス会社にとって良客

アパートなど小型の集合住宅では、プロパンガス料金は高めに設定されるのが通常です。

特に単身用の集合住宅では、入退去のスパンが短く料金滞納などのトラブルも多いため、ガス会社としても高く設定せざるを得ないという事情があります。

反対に住宅供給公社の管理物件も含む大規模な集合住宅では、プロパンガス料金をとても安く利用できる可能性があります。

大規模集合住宅では安い料金を提案しやすい

ファミリータイプの団地は、ガスの使用量も多く料金トラブルも起こりにくいなど、ガス会社にとっては良顧客です。

特別料金で提案できるかもしれない
公社の管理物件など大型集合住宅は、良い顧客を数十件確保することができるため、ガス会社としても安い料金を提案しやすいのです。
どの程度の値段で提案できるかは建物次第なのですが、戸建住宅よりも安い料金で提案できることも少なくありません。

必ずしも現状の料金が安いとは限らない

住宅供給公社の物件にお住まいの方は「LPガス料金が高い」と感じたことはないでしょうか。

大型集合住宅では、安い料金で提案できる可能性があることを上述しましたが、必ずしも現状すでに安く設定されているとは限りません。

高く設定されているかもしれない
料金交渉や切り替えをしていない物件では、決して安くはない金額設定をされていることも少なくありません。
そのような物件では、LPガス会社を変更することにより料金を大きく安くできる可能性を秘めています。

逆に自治会長などがしっかりと料金を管理している建物では、すでにとても安くなっていることも考えられます。

「ガス代が高いのではないか」と感じている方は、明細をお手元にご用意の上でお問い合わせください。

公社賃貸住宅のLPガス会社を切り替える

LPガス会社は一棟の契約
自治会などの決定により全部屋切り替える

住宅供給公社の管理物件でプロパンガス会社を変更することは可能です。

上述したように一棟の契約ですので、最終的に決裁者が判断して一斉に全部屋を変更することになります。

従って「ガス会社を変えたい」と考えているのが管理者の方か決定権を持たない入居者の方かによって流れが異なります。

居住者からすると強制的にガス会社を変更されるので、メリットがなければ理解を得るのは難しいでしょう。多くの場合には「ガス料金が安くなる」ことが変更理由になります。

当社では過去に数件、住宅供給公社運営の団地でLPガス会社切り替えを経験しております。

①住宅供給公社がガス会社を決定している

一般的には、住宅供給公社本体がガス会社を決めている物件が多いと考えられます。

公社が意思決定している建物では、最終的に公社本体が切り替えに同意する必要があります。
  • 自治会長と公社担当者が話し合って決定する
  • 自治会や切り替え先のガス会社が主導して、各入居者からガス会社を変更する承諾書を取得し、公社に提出する
公社でない方がプロパンガス会社変更を希望する場合、このような手段で意思決定をもらえれば変更することができるでしょう。

②自治会に決定権が委ねられている

住宅供給公社の自治会
大型の公社賃貸住宅では、自治会が設置されています。
参照:JKK東京・自治会の活動について

物件によっては、自治会にガス会社選びが委ねられていることもあるでしょう。

その場合には、自治会長個人(自治会の代表者等)または自治会の方々の話し合いや多数決によりガス会社を変更することになります。

ただしこの場合でも、住宅供給公社本体からの同意は必要です。自治会内だけの判断で全戸のガス会社を変更するとなると「意思決定としては弱い」と考えられます。
  • 住宅供給公社に口頭や書面でガス会社を変更する許諾を得る
  • 各入居者から承諾書(ガス会社を変更することへの同意)を得る
など、事前に公社本体の意思確認をしておく、または入居者から多数の賛同を得ておくのが良いでしょう。
入居者から過半数の承諾を得る
プロパンガス会社を変更する際、相手先ガス会社からの引き止め行為があることが通常です。

参照:一週間ルールと引き止め行為

数十戸規模の集合住宅となれば、顧客を失う側の旧事業者は、様々な方法で抵抗することが予想されます。また住宅供給公社の担当者がガス会社切り替えに対して前向きでないことも少なくありません。
このような場合に備えて、入居者の同意を得ることがとても重要です。

様々な形態の公社賃貸住宅がある

住宅供給公社は、全国各地にあります。

また住宅供給公社保有の自社物件や同社が管理を委託されている・県営住宅・市営住宅・町営住宅などもあるため、すべてが上記に当てはまるとは限りませんのでご了承ください。

公社賃貸住宅でも小規模な集合住宅では、自治会等の組織が設置されていないこともあるでしょう。もしも自治会が設置されていない建物だとしたら、住宅供給公社本体などが決裁者になると考えられます。

住宅供給公社の方

住宅供給公社のご担当者がガス会社変更を検討する際は、契約書や現状のガス料金をご用意いただいた上でお問い合わせください。

下記の通り現状を伺った上で調査、見積もりいたします。

当社は、プロパンガスの契約を取り次ぐ代理店です。複数のガス会社と提携していますので、一括で見積もりを作成することができます。

自治会長・自治会の方

プロパンガス会社を変更する際、建物設備を変更しますので公社との連携は必須です。

公社本体に切り替えの流れを確認
自治会長や自治会など物件を管理する側の方は、まず住宅供給公社の担当者に「LPガス会社を変更するには、どのような手続きが必要なのか」をご確認ください。
地域に設置されたサービスセンターではなく、各都道府県の住宅供給公社本体に問い合わせるのが確実です。

現在供給中のガス会社との契約内容や料金(基本料金や1㎥あたりの単価)などを確認の上でお問い合わせください。具体的には、契約書やガス利用明細をご用意いただくとスムーズです。

見積もりまでの流れ

LPガスは個別の見積もり
LPガス料金は統一されていない

プロパンガス切り替えの見積もりは、すべて無料です。

お問い合わせいただいた際には、
  • 物件住所
  • 現在のガス料金
  • 現ガス会社との契約内容(違約金の有無など)
  • 設備投資希望の有無
などの情報をいただいた上で、まずは建物の外観調査を行います。物件によっては、ボンベ庫内など設備の設置状況も同時に確認いたします。

状況を確認した上で、ガス会社を変更した際の料金等の見積もりをお電話で報告またはメールで提出いたします。期間としては、ご相談いただいてから見積もり提出まで1~2週間ほどいただくのが通常です。

Inquiry
Webform

一般にお住まいの方

自治会員などでなく、公社賃貸住宅に一般にお住まいの方は、ガスの利用明細をご用意の上でお問い合わせください。

ご相談いただいた後、確認するお時間をいただいて目安となる切り替え後の料金をご案内いたします。

暫定の見積もり
正確な料金の見積もりをするには、契約内容など詳細の確認が必須です。
差額をご確認いただいた上で、自治会長や公社などの管理者に引き継いでいただくことになります。管理者の方への提案は、こちらで行います。

LPガス会社切り替えの流れ

各戸へのお知らせはガス会社が行う
手紙の投函や訪問でお知らせする

ガス会社切り替えは、基本的に切り替え先ガス会社がほとんどの作業を行います。

入居者の方には、
  • 供給契約書の記入のお願い
  • お支払い方法の登録のお願い
  • 切り替え作業中はガスを使用できない注意
  • 供給開始時点検の立ち合い(切り替え作業後)
このようなお願いをすることになります。入居している方に面倒な作業はないと言えるかと思います。
一連の手順については、集合住宅のプロパンガス会社変更手順に掲載しています。
LPガスの中身は同じ
LPガスの成分は、法律により割合が定められています。
ガス会社を変更したとしても、中身のガスは同じです。もちろん使用中のガス機器もそのまま使うことができます。
参照:LPガスの解説
供給開始時点検と切り替え作業中の注意
旧ガス会社のボンベやメーターなどを新ガス会社のものへ交換する作業中は、ガスを使用することができません。時間にすると2~4時間程度ですが建物の規模により異なります。

また交換作業後には、開栓と同時に供給開始時点検を行います。この点検は、宅内のガス機器をチェックするので居住者の立ち合いが必要です。
ガス会社としては、法令で義務付けられているため、点検をしなければ開栓することができません。従って供給設備の交換が完了したら速やかに点検作業に移行します。大型の団地では、複数人のスタッフが手分けして点検を行います。

これらの注意に関しては、ガス会社が事前に日時等を書面や訪問により通知して、入居者に不便をかけないよう進められます。
参照:供給開始時点検の解説

70戸以上の公社賃貸住宅にお住まいの方

70戸以上の物件はコミュニティーガス扱いになる
中身は同じプロパンガスだけど「コミュニティーガス」という供給方式になる

住宅供給公社の団地は、戸数がとても多いものもあります。

お住まいの建物が70戸以上だったら
お住まいの建物が70戸以上である場合には、「液石法」という一般のLPガスを管轄する法律ではなく、都市ガスなどを対象とした「ガス事業法」の管轄になっている可能性があります。
切り替えの流れなど概要は同じなのですが、料金設定など異なる部分もあります。
該当物件にお住まいの方は、あわせてご覧ください。
参照:70戸以上のプロパンガス供給物件