Looopは、小売料金の体系を2022年12月1日以降の検針分から市場価格連動型に変更します。

「ダイナミックプライシングの仕組みにより需要家の行動変容を促すことが、再生可能エネルギーの一層の導入拡大に向けて欠かせない」という問題意識に基づくものです。

ダイナミックプライシングとは、電気の需給状況に応じて料金単価を変えることを指します。

12月から開始される新料金プランである「スマートタイムONE」は、30分単位で変動する各エリアのスポット市場価格を電力量料金として使用するもの。

家庭向けメニューは、基本料金ゼロ円を継続し、託送原価と手数料を電力量料金に加算します。

Looopでんきは、現在新規契約を停止していますが、既存顧客の料金体系は12月分から新プランに自動的に移行します。

また来春には、新プランによる新規契約受け付けを再開する予定です。

新料金移行に合わせて、ホームページ上に各時間帯の料金単価のグラフを公開します。

料金変動を可視化することで、料金が高い時間帯は外出して電気の使用を避けるなど、顧客に行動変容を促しています。Looopでんきのホームページを見れば、現在適用されている単価がリアルタイムでわかるということです。

同社としては、これにより従来プランよりも電気代を抑えられる可能性もあるとしています。

Looopでんき契約中の方は注意!

現在、日本国内では、ロシア・ウクライナ問題などの影響から、原料の輸入価格が高騰しています。これを受けて、国内の電力・都市ガス・LPガス・ガソリンなどの小売料金も軒並み高騰を続けている状況。

さらに急激な円安が拍車をかける形となり、国内のエネルギー事業者は、かつてないほどの危機に瀕しています。

これは事業者だけでなく、消費者も同様の状況であるといえるでしょう。

これまでのLooopでんきの電気料金は、基本料金が0円、1kwhあたりの単価は地域により異なりますが、固定料金制(燃料費調整額で微調整)でした。

12月からの改定により、

  • 基本料金0円は継続
  • 単価は、固定金額から市場価格に連動して変更する

ことになります。(家庭向けメニューの場合)

1kwhあたりの単価が固定料金ではなくなり、市場価格に連動して30分ごとに変わることになります。

市場が安くなれば小売価格も安くなりますが、高くなればとんでもなく高くなる可能性があるということになるのです。

放っておくと、自動的に新料金プランへ移行されることになります。現在Looopでんきと契約されている方は、くれぐれもご注意ください。

電気代が高くなる可能性がある

これまでのLooopでんきの料金プランは、固定単価で日本卸電力取引所(JEPX)に連動して燃料費調整を行っていました。

今後は固定料金が撤廃され、日本卸電力取引所の市場価格に連動することになります。

市場価格連動型は、現在置かれている日本国内の状況ですと、非常にリスクがあるということができます。

上述した通り、国内のエネルギー価格は、輸入の時点からすでに高騰を続けており、これまでの固定料金制よりも単価が上がることは避けられないと推測されます。

加えて、エネルギーの市場価格は、需要の少ない夏場は安くなる傾向にあり、需要が増える冬場は高くなる傾向にあります。

市場連動ですので、「必ず電気料金が高くなる」と確定している訳ではありません。しかし、現在の情勢から推測する限りでは、「高くなる可能性が非常に高い」と考えられるでしょう。

少なくとも「高くなるリスクを秘めている」ということになるのです。

顧客の離脱は避けられない

市場価格の高騰が懸念される冬本番前に市場連動型プランへの切り替えることは、顧客離脱を招くリスクがあります。

電力不足の問題に関しては、以前から問題視されてきていますが、未だ解消に至っていません。

Looopでんきとしては、「需要家が行動変容の選択肢を持てるようにする。こうした料金プランが今後のスタンダードになると思う。」と中村社長が10月12日のセミナーで発言しています。

確かに消費者の行動変容を促す、つまり「電力が高くなっている時間帯には、電力使用を避けて外出する」などの行動を消費者に促すことは有意義であると考えられます。

消費者それぞれが、電力をはじめとするエネルギーに関心を持つことにより、エネルギー問題の解決や再生可能エネルギーの促進に向かうことができるのは理想的な形でしょう。

しかし、すべての消費者が市場の電力料金を逐一気にしながら、それに合わせて行動するということは、実際問題として不可能です。

中村社長の見解としても、顧客件数の減少は避けられないとの見解を示しています。消費者にとっては、電気代が跳ね上がってしまうリスクを秘めていますので、離脱する顧客が増えるのではないかと推測されます。

移行対象となるプラン

  • おうちプラン
  • ビジネスプラン
  • 動力プラン
  • 再エネどんどん割S
  • 再エネどんどん割L
  • スマートタイムプラン
  • BizプランS
  • BizプランL
  • 低圧電力
  • マイニングフラット
  • ベース電灯プランS
  • ベース電灯プランL
  • おうちプラン(コンサドーレ還元コース)
  • おうちプラン(コンサドーレ還元コース ビジネスプラン相当)
  • おうちプラン(EZOCAコース)
  • おうちプラン(EZOCAコース ビジネスプラン相当)

※ みその再エネでんき、未来発電は対象外です。