公正取引委員会は、神奈川県におけるLPガス事業者の新規参入と協会加盟を制限したとして、3月9日神奈川県LPガス協会に独占禁止法に基づく排除措置命令を出しました。

LPガスの販売事業者は、液石法により「損害賠償保険」の加入が義務付けられていますが、県の協会員でなければ団体保険に加入できないという制約があります。

公正取引委員会によると、神奈川県LPガス協会への入会希望事業者が、2014年10月から2016年10月まで計5回にわたり入会を申し込んだが、その都度理事会において同事業者の所在する支部の支部長が「当該事業者は切り替え営業を行う事業者」である旨の報告を行い、入会を否決したとされています。そのためその事業者はLPガス協会に入会することができず、団体保険にも加入することができなかったということです。

具体的な排除措置命令では、神奈川県LPガス協会に対して
① 切り替え営業を行う入会希望者の入会申し込みを否決する行為を取りやめるとともに今後このような行為を行わない旨を理事会で決議しなければならない。
② その理事会の措置を正会員および神奈川県内に販売所を設置するLPガス販売事業者に周知しなければならない。
③ 協会活動に関する独占禁止法順守についての行動指針を作成しなければならない。
と命令しました。
また公正取引委員会は経済産業省に対して、新規LPガス販売事業者にとって損害賠償責任保険への加入が用意となる環境整備を図るように要請しています。

今回の件は、LPガス業界では未だ「切り替え営業が好まれない」且つ「排除される傾向にある」ことを物語っています。つまりこの事業者の入会を承諾してしまうと、切り替え営業を行うので、現行の顧客を奪われてしまう可能性がある、従って入会を拒否するという事例になります。
LPガス業界は、料金の透明化とともに「公正な取引」を行うことが業界全体の課題とされています。今後このようなことがなく、公正な企業間の競争が行われるようになれば、業界の問題点は徐々に改善に向かっていくでしょう。

公正取引委員会のホームページ
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h30/mar/180309_1.html
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h30/mar/180309_1.files/180309_honbun.pdf

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