資源エネルギー庁は11月30日、電力・ガス基本政策小委員会の制度検討作業部会に、長期脱炭素電源オークションの当初の募集量を示しました。

対象に含まれるLNG火力は、3年間で合計600万kwに設定されました。安定供給上さらに必要と判断された場合は、募集量が追加される可能性もあります。

一方、水素・アンモニア発電など、脱炭素電源の募集量は、初年度400万kwになりました。

長期脱炭素電源オークションとは、2050年のカーボンニュートラル達成と、整合的に今後の電源投資を進めるための新たな容量メカニズムです。

原則的に電力供給時に二酸化炭素を排出しない「脱炭素電源」だけを支援対象としますが、供給安定性の観点からLNG火力も時限的に対象に含まれています。

2023年度の取引開始に向けて、詳細設計の検討が同作業部会で進められています。募集量の設定は、詳細設計での焦点の一つとなっていました。

LNG火力については、安定供給上必要な量とする一方、脱炭素化に逆行しないという観点も考慮された結果、2023年度から3年間で合計600万kwという数字になりました。

ただ火力発電の供給力は、2030年までに900万kw程度減少するとの見通しもあります。そのため、事業者からは「安定供給の観点で十分かどうか懸念がある。実際の応札状況などを踏まえて、募集量見直しの検討も必要だ。」(関西電力)という意見が出ていました。

関電は「水素への燃料転換などにより脱炭素化が比較的容易な電源で、柔軟性の高い調整力を持つ。国として一定量のLNGを長期調達する資源確保の点からも意味がある。」とLNG火力新設の意義を強調しました。

脱炭素電源の募集量は、2050年のカーボンニュートラル実現を見据えて設定されています。現存する1億2千万kwの化石電源を2030年からの20年間で全て脱炭素電源に置き換える場合、年平均で600万kwの導入が必要になります。

ただ発電コストは、技術開発により中長期的に低減することが期待できるため、当初は募集量を抑えることにしています。2023年度の初取引の募集量は400万kwになっています。

このうちアンモニア・水素混焼など既設火力の改修案件は、2030年の電源構成目標との整合性から100万kwという上限が設定されました。

長期脱炭素電源オークションの仕組みは、容量市場にできるだけ沿う方針で、独自ルールが必要な項目に限定して詳細設計が進められています。

11月30日には、他に入札価格の算定方法や監視のあり方などが議題となりました。

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