石油情報センターが発信している9月30日時点での一般LPガス小売平均価格は、15ヶ月連続で値上がりしました。

平均価格は、販売量「10立方メートル使用時の税込みのガス料金」を基準としています。また、全国の主要都市での料金を総計したものとなっています。

あくまでも主要都市内で調査をした一部のお宅での平均価格ですので、すべてのLPガス会社、すべての顧客が同様であるとは限らないことにご注意ください。

具体的な金額ですが、前月比で24円上昇して8873円となっています。

平均価格が値上がりするのは15ヶ月連続で、同時に10か月連続で過去最高値を更新しています。また速報が出ている全国8地区すべてが値上がりしたという結果になりました。

原料価格高騰の影響を受けて、国内のLPガス小売価格は、かつてないほどに値上がりしている状況です。

そのような状況の中、ここ数か月はサウジアラビアを中心とした中東アジアから日本に向けたLPガス輸入価格が下落しはじめました。それを受けて、国内で流通するLPガス卸価格も徐々に値下がりをはじめています。

つまり、プロパンガスの原料となるプロパンやブタンの輸入価格は下落をはじめており、それに伴い日本国内でLPガスを販売している事業者への卸価格も下落しています。

それにも関わらず、消費者に販売する小売価格に関しては依然として値下がりしておらず、一年間以上値上がりを続けているという状況なのです。

仕入れ価格は安くなっているのに、消費者への販売価格は上がり続けている。これはなぜなのでしょうか。

下落し始める前、原料の輸入価格は、かつてないほどに高騰してしまいました。その状況から安くなりはじめたとはいえ、ピークを過ぎて少し落ち着いたという程度で、通常の金額に戻ったということではないのです。

加えて、顧客への小売料金を一度に大幅に値上げすることは難しいため、多くの事業者が段階的に値上げしていると推測されます。

輸入価格や卸価格が下落しているのに小売料金に反映されていないというのは、このような事情があると考えられます。