石油情報センターが発信している7月29日時点での一般LPガス小売平均価格は、13ヶ月連続で値上がりしました。

平均価格は販売量10立方メートル使用時の税込みのガス料金を基準としています。また、全国の主要都市での料金を総計したものとなっています。
あくまでも主要都市内で調査をした一部のお宅での平均価格ですので、すべてのLPガス会社、すべての顧客が同様であるとは限らないことにご注意ください。

具体的な金額ですが、前月比で57円上昇して8824円となっています。

平均価格が値上がりするのは13ヶ月連続で、同時に10か月連続で過去最高値を更新しています。

原料価格高騰の影響を受けて、国内のLPガス小売価格は、かつてないほどに値上がりしている状況です。

そのような状況の中、ここ数か月はサウジアラビアを中心とした中東アジアから日本に向けたLPガス輸入価格がようやく下落し始めています。それを受けて、国内で流通するLPガス卸価格も値下げされている状況。
しかし、小売価格に関しては依然として値下がりしておらず、一年間以上値上がりを続けています。

実際のところ、中東産のプロパンやブタンの輸入価格は確かに下落しているものの、決して数年前の水準に戻ったということではありません。金額を比べると、2017年夏頃と比べてプロパン・ブタンの輸入価格は2倍近くになっています。

LPガスの小売事業者としては、仕入れ値が安くなっているとはいえ、ピークを過ぎて少し落ち着いたという程度で、通常の金額に戻ったということではないのです。
加えて、顧客への小売料金を一度に大幅に値上げすることは難しいため、多くの事業者が段階的に値上げしていると推測されます。

輸入価格や卸価格が下落しているのに小売料金に反映されていないというのは、このような事情があると考えられます。