プロパンガス小売りの大手・日本瓦斯（ニチガス）は、資産運用やアプリ開発を手掛ける「TORANOTEC」（トラノテック）と業務提携を行い、10月下旬から新たなガス料金の割引メニューを追加します。トラノテックが開発した「おつりで投資トラノコ」を割引メニューに加え、ニチガスの顧客がトラノコアプリを使って投資を行う場合、ガス料金が毎月100円割引となります。
ニチガスは、プロパンガスや簡易ガスだけでなく、4月から都市ガス事業にも参入していますが、この割引はいずれの契約者も対象となっています。
トラノコの特徴として、手軽に投資ができることが挙げられます。
具体的には、
① クレジットカードやSUICAなど乗車カード等で買い物を行う度におつりを表示し、クリックするだけでおつり分を投資に回すことができる。
② 三つの投資ファンド（安定重視・バランス重視・リターン重視）から一つを選ぶだけで、世界中の株式などに自動で分散投資を行うことができる。
③ 5円以上で、1円単位で投資可能で、いつでも出金することができる。
このような特徴を持っています。月額費用として300円がかかりますが、現在は3か月無料キャンペーン中です。
個人的には、月額100円の割引ではインパクトに欠けるとも感じましたが、ニチガスは桁違いの顧客数を持ちますので、会社としては大胆な施策が出しづらいのかもしれません。
また、トラノコのサービス自体は、「専門知識が不要で、誰でも手軽に投資ができる」という点でとても画期的なサービスと言えます。
ニチガスは、これ以外にもインターネット（光コラボ）やウォーターサーバー、ビットコインなどとコラボして割引サービスを展開しています。プロパンガスの顧客を獲得する、そして流出を防ぐだけでなく、東京ガスエリアに進出している都市ガス事業でも、新規顧客獲得に力を入れています。
ガスサービスだけでは、なかなか自社独自の「お得感」を打ち出すことが難しい状況のため、このような付加サービスを幅広く展開することによって、顧客へアピールする狙いがあると言えるでしょう。
