このページでは、プロパンガス供給の新築戸建住宅について解説しています。
本来であればプロパンガスは乗り換え自由であり、所有者はガス会社を選ぶことができます。
ただ新築住宅では事情が異なり、ガス会社選びが制限されることが多々あります。
以下に注意事項を記載しますので、ご相談いただく際には事前にご確認ください。
新築住宅はプロパンガス会社を選べない?
プロパンガスの事業者は、様々な形で顧客獲得を行っています。その中の一つとして、建築会社や施工会社(ハウスメーカーや工務店)などと提携し、新築住宅の案件を受注するというものがあります。
ガスを使う予定のお宅であれば、宅内にガス配管の工事をしなければなりません。また給湯器などガス機器の用意も必要です。
そのような場合には、消費者がガス会社を自由に選ぶことは難しくなってしまいます。すでに物件が竣工している状態でしたら、ガス会社が決められていないかどうかにご注意ください。
注文住宅のプロパンガス
新築の注文住宅では、建築工程がどの段階まで進んでいるのかが重要になります。
ガス会社が配管工事や給湯器など機器を手配している可能性があり、自由にガス会社を選べないかもしれません。
お問い合わせいただく前に「ガス会社を選ぶことができるかどうか」をご確認ください。
※ハウスメーカーによっては、建物が完成していても自由にガス会社を選べることもあります。
ハウスメーカーや施工業者などとの打ち合わせの際に、「ガス会社を選ぶことができるかどうか」をご確認ください。
基本的には持ち家ですので「どこかのガス会社が作業を行う前」であればガス会社を選ぶことができます。
ガス会社を選ぶことができる状況であったとして、まずは図面をいただき、ガス機器や配管費用を一括にするか分割にするかなどをお打ち合わせの上で、ガス料金の見積もりをいたします。
建売住宅のプロパンガス
建売住宅では、ガス会社を選ぶことができない可能性が非常に高いので注意が必要です。
ハウスメーカーには、提携関係のガス会社があるので、計画段階から特定のガス会社と打ち合わせをした上で、費用を計算して住宅を建てているのです。
「物件とガス会社がセットになっている」と考えていただくのがわかりやすいかもしれません。
物件購入前の方は、ガス会社が決まっているのか、基本料金や単価はいくらなのかを尋ねてみるのが良いでしょう。
あくまでも一般的な建売住宅のケースを記載しています。ガス会社を選ぶことができる建売住宅が絶対に無いということではありません。
初期費用の支払い「一括と分割」
住宅販売会社などとガス会社が提携している場合には、「住宅の費用」と「ガス配管費用や機器の費用」が別々になっています。
「住宅の代金は不動産会社へ支払う」「ガス関連の代金はガス会社に支払う」ことになるのです。
ここでガス関連の支払いを一括にするか分割にするかを選ぶことになります。
初期費用を0円にして分割払いにすると、ガス会社と10年や15年など長期契約を結ぶのが通例です。もちろん一括で支払うという選択も可能です。
特に建売住宅ですが、入居する直前になって「ガス会社が決められていることを知った」というトラブルが多いようです。
物件購入前の方は、事前に確認するよう注意しましょう。
新築物件のプロパンガス料金は高い?
上述した初期費用を分割払いする場合、その金額が毎月のガス料金に上乗せされる形になります。
またこの「割高の料金」という点に関しても企業によって差があります。高めに設定するとはいえ、最安値とそこまで差額が大きくない事業者もあれば、相当な差額を設けている会社もあります。
プロパンガス料金は、法律による規制を受けていないため、金額はガス会社が自由に決められます。
どの程度が適正の範囲内であるのかに関しては、地域によって、初期費用の金額によっても異なるため、具体的な数字を挙げることは難しくなってしまいます。
長期契約中に乗り換える方法
初期費用を分割払いにしたお宅では、その代りにガス会社と長期契約を結ぶことになります。
つまり15年以上の契約期間を設けてしまうと、「契約期間が長すぎる」ということで契約の効力が無効になってしまうと業界では捉えられています。
それでは、その間ガス会社の乗り換えはできないのかというと、必ずしもそうではありません。長期契約中の方がガス会社を変更する方法は2つあります。
- 【残額を一括支払いする】支払い中の費用をご自身が一括で支払えば、持ち家である以上自由に乗り換えることができます。
- 【残額を変更先のガス会社に負担してもらう】乗り換え先のガス会社が「費用を負担してまで顧客を獲得したい」と判断した場合には、肩代わりが可能です。この際、変更先のガス会社と新たに長期契約を結ぶことになります。
残額を負担してもらう際にポイントとなるのは残額がいくらになるのかということです。一件の顧客を獲得するために、数十万円の費用を負担する企業は多くないでしょう。
入居前や入居直後で違約金が満額かそれに近い場合には、変更先の企業が負担するのは難しくなりますのでご注意ください。
まず契約書をご覧いただき、解約したらどのくらいの違約金があるのかを確認しましょう。
ただし費用を負担してもらって乗り換えた場合、前項で解説した通り最安値での利用はできなくなりますのでご注意ください。
「あまりにもガス料金が高いのではないか?」と感じている方は、上記どちらかの方法で切り替えをご検討ください。