静岡県熱海市は2016年度末に、非常用電源のバックアップとして「LPガスだき発電機」(デンヨー製)を市庁舎に設置しました。
すでに設置済みのディーゼル発電機の燃料が切れても、自動でLPガス発電機が起動する仕組みで、災害時の対策を強化したかたちです。

今まで設置されていたディーゼル発電機は燃料に軽油を使用しており、3日分を常備していました。追加されたLPガス発電を利用することで、最大6日間の電力を供給できる状態になっています。熱海市内では都市ガスも供給されているのですが、あえて非常時でも調達しやすいLPガスを使用しています。

発電用のLPガスは50kgのボンベを4本常備、さらに市庁舎に隣接する消防庁舎の厨房のLPガスも、いざという時には発電用に使用する体制を整えています。
LPガスは汎用性が高く、災害に強いということが大きな特徴ですが、さらに軽油の場合には酸化によって経年劣化するため3年ごとに交換が必要になる一方で、LPガスにはそのような心配がないことからもバックアップ発電用として備えられることになりました。

静岡県を含む東海地方では、大地震が起こることも予想されていますので、熱海市のように緊急時のための対策措置が進められています。
ボンベがあれば使用できるという点で、緊急時の利便性ではLPガスは都市ガスよりも優れているといえるでしょう。
一般家庭でもあえてLPガスを利用するというお宅もありますが、今後業界全体としてどこまで利便性をアピールできるかが、需要家の増減に関する鍵となるでしょう。